第12話 土用の丑の日

 土用どようの丑の日という何を思い出すでしょうか?うなぎでしょうか?元と元、土用の丑の日(夏から秋に暦上切り替わる)時期は、ばててしまうので、「う」の付く食べ物を食べるのが良いとされていますが、それなら牛だろうと梅干しだろうとよい気がします。

 この風習は江戸時代の奇才平賀源内きさいひらがげんないが考えたキャッチコピーとされますが、本当でしょうか?

 例えば恵方巻えほうまきなどという習慣は30年ほど前までは大阪の一部地域に伝わる風習でしかなく、ヴァレンタインデーもお菓子屋さんの仕掛けた商戦でしかありませんでした。ハロウィンも40年前は影も形もなく、2月の針供養はりくようの方が有名でした。


 土用と立春、立夏、立秋、立冬の前の半月(陰暦)でこの時期は気候が代わり体調を崩しやすいので気を付けるようにという時期でした。中国においては悪さをする悪霊のようなものやってくる時期ととらえられていたらしいです。


 そもそも日本でウナギが今のようなかば焼きで食べられるようになったには、江戸時代以降とされています。

 同様に食べ合わせというのも、大体が暑い時期に傷みやすい食材を早めに食べるように戒める行為が元になっています。


 昔は平時は粗食で、決まった日に「ハレの食事」として特別に食べていただけであって、今のように高栄養価の食材をふんだんに食べられる時代には、あまり意味のない風習なのかもしれません。

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