第7話 4月の ばか

 エイプリルフール。最近では大掛かりなネタを仕込んで行うことも多くなったこの行事だが、元々はもっと違う形のものだった。一言でいえば、「他人を傷つけない軽いジョーク」であったものと認識している。


 最近では4月1日に大掛かりなネタを仕込むものも多いが、同時にその嘘から問題が発生することもある。英国のあるTV局が何年も4月1日用のネタを提供していたこともあり、有名な行事?なのだが、現在はネットによる拡散力と、編集による「悪意にみちたもの」があるので厄介である。

 また当事者はジョークのつもりであっても、受け取る側の考え方によって「悪意に差し替えられる」場合も多々存在する。その為今のような、他者の上げ足をとる人の多い不特定多数のいる社会では、それは時に暴力にもなる。


 軽いジョークのつもりが…なんてことは、今年もよくみられたし、そうならないようにするには、文面や映像の後にジョークであることを付け加える場合が多いのだが、その部分をカットして拡散する人間がいる限り、下手なことはいえない。

 「匿名で書いている人間に言われたくない」と思われる人もいるだろう。だから私は自説を「信じろ」とは言わない。またお金が絡むともっと話がややこしくなるので、あえてお金の発生しない方法で意見を言う。

 ここ数年で特に面倒な社会になったと思うが、自己防御のためには仕方のない行為なのかもしれない。「冗談だから」で済まない世の中になってしまったのだから。

 

  • Twitterで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る