ラストの道徳 人の話はよく聞こう

死ぬ覚悟だったから、パパとママに感謝の手紙なんて書いてみた。

テストも100点取ってみた。冥土の土産さ。


サキちゃんがいつもに増した可愛い姿で、


「『友達として遠くから応援してる』ってちゃんと伝えてきたよ」


僕の目を見つめた。吸い込まれそうになった。そうこうしているうちにスライムがやってきた。見飽きたスライム団子。スライム三兄弟。


「オレたちを倒せば、次の日に…」


いつも先制攻撃をしていた僕たちは黙ってスライムを見つめた。

すると、スライムの一番上は続けた。


「次の日に……は、戻れないんだよ!!人生はおかしなことや理不尽なことがこうやって起こる。でも戻ることはできない。過去は変えられない。わかったか!!!」



サキちゃんと俺はスライムに食われた。


ま じ か 。


最初から話をちゃんと聞けばよかった。

こんなオチだったとは。


ほんと、こんな物語って存在するの?


ママが僕によく言うセリフがリフレインする。


「話、ちゃんと聞いてるの!?」

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