失恋までが早すぎる

僕の隣に立っていたのは、好きというのも恐れ多い憧れのサキちゃんだった。


まあ、だいたいわかるでしょ?どんな見た目か。

ありがちで申し訳ないんだけど黒髪がまっすくでキューティクル。

まつげは長くて、目は大きく、手足も長い。


「黒崎くん、何かあった?」


まさかや。


恥ずかしくて言いたくなかったけど、テストの点数が悪くて絶望していることを伝えた。(ゲーム機没収で落ち込んでいることは恥ずかしすぎて言えなかった)


「私も…隣に住んでいた男の子が引越しちゃったんだけどね。お別れが言えなかったんだ」


はい、失恋ー。早くない?

この展開はね、ありがちじゃない。

開始3分も経過してないのに、失恋って!


サキちゃんのほんのり赤く染まった頬を見ればわかる。

きっとサキちゃんは、その男の子のこと好きだったってことでしょ?

あるよね。そういうの。あるある。あるあるすぎて何かを連打したい。

はーもうため息しかでん。


お互い何も言わず空を見て、


「戻りたいよねー」

「戻りたいなー」


同時に呟いて、笑った。



すると、カタカタと地面と雲が揺れ始めた。


「えっ地震??」


大きな揺れになり、僕は恐怖で目を閉じた。



そして、気がつくと、ベットの中で朝を迎えていたのだ。

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