ありがちループ!?

だら子

100点取れませんでした。

「話、ちゃんと聞いてるの!?」


ママの声が脳内に響く。


「100点をとれなかったので、約束通り没収、させていだきます!!」


7月7日。彦星と織姫が一年に一回イチャイチャする日。


玄関開けたら、2分もかからずこう言われて

ゲーム機をママに没収されるのだ。僕は。


わかってる。約束したんだし。わかってるさ。


ここ最近、ゲームばかりして、テストの点数は60-70点代が並ぶようになった。


6月中は、

「6月だけに、60点じゃなくてよかったじゃん!!」と、ママを笑わそうとしたけどもちろん、笑ってはくれなかった。


だから言ったんだ。

「わかったよ、今度の算数のテストで100点取れなかったらゲーム機とパソコン没収していいよ。そのかわりさ、『勉強しなさい』って言わないでくれる?しっかりやるから」


結果…。77点 このザマだ。

七夕にちなんでこの点数ってわけじゃないのに、誰を笑かしにきてるんだこのテスト。


さて、小学6年生にとってこれは僕の存続にもかかわる一大事だ。


まず、ゲームができないと、友達との会話が弾まない。

運動が嫌いな僕は…何をすればいい?

息をすればいいのはわかるが。


やり直したい。あのテストさえやり直せば。

僕は僕でいられる。ああ、本当にやり直したい。ゲームが僕をつくっている。そうだ。そうなんだ。

好きな女の子の前では挙動不審だけど、ゲームの話題であれば、スラスラと単語が出てくるのだ。


帰れば人生が変わってしまう。だから河川敷で、頭を抱えていた。

「もう一度チャンスを」と頼んだところで、次のテストまで時間がある。ザッザッと足音が聞こえたのはわかったが、隣に好きな女の子が近づいてきているの知らず僕は、うなだれていた。


草の匂いが、鼻について、ウザい。

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る