第5話
あの話から、2日が経って、3日目。そろそろ、めいってくる気持ちがわかってきたような気がする。寝ることもできず、食べることもできない。そして、眠くなることもお腹がお腹が空くこともない。何も感じられない。人の温かさに触れられない。あんなに憎かった親でさえも恋しく感じる。今さら気づいても遅いのに。ポツリ、ポツリ、考えれば考えるほどの涙が滴る。でも、チャレンジする勇気なんてない。しかも、どうせ生を選んでも、また弱気になってしまう気がする。僕には、覚悟ができるほどの強い心はない。もう、生きるのに疲れた。ごめんなさい。そしてさようなら。カゲさん。
そして、次の瞬間、頭の中に今までの記憶がすべて流れ、痛む。刺すように頭が痛む。私は気づいた。彼が、そういう選択をしたのだと。
そうして、私は消えてしまった。また一人犠牲者がでてしまった。悲壮感に囚われながら、静かに、水のような空間に溺れていった。
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