第7話
「ねぇ、マリちゃん」
練習場で坪洗がマリに呼びかけた。
「はい、なんですか?」
「そろそろ少し始動してくれないかな」
「それはどういう意味ですか」
マリがそう聞くと、
「いや、まあ、お客を取ってほしいんだけどねぇ」
坪洗が申し訳なさそうに説明した。
「イヤです」
「ブーッ!」
坪洗が口から牛乳を吐き出した。
「なんですか、それは」
「いや、ドリフのギャグ」
坪洗が頭を掻いた。
「それはそうとねぇ、マリちゃん」
「はい」
「AV界からオファーがきてるんだよ」
「わたしにですか」
「オレがツボ洗いしてどうすんだよ。もちろん
マリちゃんにだよ」
「何て言ってきてるんですか」
「中出しさせてくれ。そうしたら三億円即金で
払うって」
「三億」
マリがそうつぶやいた。
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