第8話

「ママ」

マリがクルミに告白した。

「わたしAVに出ようかと思うの」

「なんていうタイトル」

「裕美マリの中だしもOKよ」

「バカ。何考えてんだい」

クルミは涙目だ。

「わたしはオマエをそんなことするため

に産んだんじゃありません」

「じゃあ、なぜ産んだのよ」

今度はマリが涙目だ。

「こんな世の中に、こんな汚いどうしようもない

世の中に、なんでわたしを産み落としたのかって

聴いてるのよ」

「マリ」

クルミは呆然としている。

マリは拳を握り締めて

全身を震わせていた。

「ごめんなさい。ごめんなさいね」

クルミがそうつぶやきながら、

マリを思いきり抱き締めた。

「ウウーーーっ」

マリとクルミが泣き声を

あげた。

  • Twitterで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る