つぎの先人

ゲイである

でもゲイであることが自分の全てだとは思ってない

そもそもゲイであることなんて大したことじゃないと思ってる

でも、だからといって職場で堂々となんて振る舞えない


そういう矛盾を抱えて

それでもなんとかしてうまくやっていこうと頑張っている


AにはAに対する付き合い方を

BにはBの、CにはCのそれぞれの対応を

全ての人に同じ接し方をする人はいない

それはちゃんとわかってるしそうしてる


ところがそれがAがゲイだとなると

途端にどうすればいいのかメチャクチャに

TPOガン無視のセックストークとか、

”ゲイだからこういう詩が書けるのだ“とか


俺は俺で、いちいち答えなきゃ説明しなきゃで

あるいはその度に相手と衝突して

彼は”面倒臭い“と離れていく

全ての人に同じ接し方をする人はいないのに


ある意味カミングアウトは誰も幸せにならない

あなたも俺も誰も彼も

なぜなら”負荷がかかる“ことを我々は不幸なことだと思っているから


カミングアウトをしない理由は

”普通“に戻れなくなるのが嫌だから

そう挙げられないうちは

あなたはいつまでも”お客様“


”同性愛者は日陰で生きてろ“なんて

ふざけてる 本当にとんでもない話で

ただ一方で、セックスや、秘密の友達、仲間

こっそりやっているから楽しい、という側面も

これは確実にある


だからって俺は人間だ

自分の人生を生きていく権利がある

だけど現状、我々を取り巻く世界は社会は

その2つが密接な関係になって”しまって“いる


だからどうしたらいいのか、は、

まだ、わからないのだけど


”普通“になりたいなあ

”普通“がいいなあ

それはただただ

あなたがあなたであるように、俺も俺でいたいだけ


もしそれができたなら

”異性が好き“という体で生きなくて済むのに


時は流れる

今、前線で今を精一杯生きている者たちには

後退するしかなかった者たちを思う余裕はない

誰もがそれぞれの今を一生懸命生きている

それが時は流れるということだ


だけど、もし良かったら

”かつて“の人たちの痛みを

どうか時には思い浮かべてくれないか


そしたらきっと

なんとかなるから

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