第4話

『嘘よ、私は信じないわ』

私は、麗奈ちゃんの言葉を信じたりしない。

ちゃんと本人から聞くまでは。

『信じるも信じないも勝手ですけど先輩見てるとむかつくんですよ』

そう言って私に近づく麗奈ちゃんに恐怖を覚えた。

『なんの努力もしないで周りから愛されて、私奏多先輩を手に入れるまではなんだってしますから』

そう言って麗奈ちゃんに掴まれた手は、痛かった。私は、無理やり手を離して走り出した。

恐い、私あんなに麗奈ちゃんに嫌われてたんだ。でも奏多に確認するまで信じたりしない

慌てて校門まで行くと奏多が立っていた。

『奏多』

『よかった。会えた、美優何回もかけても電話出ないから心配した』

私は、奏多の顔を見た途端涙が止まらなくなってしまった。

『え、ちょ、美優』

奏多は、戸惑いながらも手を握って公園まで連れて行ってくれた。

2人でベンチに座り奏多に抱きしめられた。

『奏多』

『昨日は、ごめん。遅れて、ちゃんと話をさせてほしい』

こんな真剣な表情初めて見た。

『私の方こそ話聞かないでごめんね。昨日何があったのか聞かせて』

『実は、昨日』

奏多は、ゆっくり昨日の出来事を話だした。

『浅木から呼び出されて来ないと美優に酷いことをするって脅されて』

『え』麗奈ちゃんがそんなこと…

『番号も教えていないのに後輩に聞いたみたいで、だから美優に手を出さないように話に言ったんだ』

私は、余りの衝撃で言葉が出なかった。

『浅木に告白されて断ったんだ』

やっぱりあの話は、麗奈ちゃんの作り話だったんだ。

『けど浅木付き合ってくれないと死ぬとか、美優に酷い目に遭わせるって騒ぎ出して、俺手に追えなくなって浅木の幼馴染の瑆を呼び出してあいつに頼んでやっと美優の所に来れたんだ。』

そんな事があったなんて私奏多のこと信じてあげれてなかった。

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