銃撃戦の国:Phase[3]
森を抜け、
次に立ちはだかるのは
「うわぁ...」
乾燥した感じの砂っぽい町...
なんとなーくウエスタンな雰囲気。
先程「うわぁ...」と声をあげたのは、
黒髪にターコイズブルーの瞳の少年...。
「あれ、」「敵か!」「違いますけど」
彼の名はルア...
「前言撤回...やっぱ敵います」
「どこだ〜」
全く狙撃もできないのに、
長距離な武器借りてきた。
銀の髪にパステルピンクの瞳を輝かせる.....
彼女はシュネー...二人は一応旅人だ。
「あ、いたいた....」
風車の上...。
「まだ気付かれてないみたいです...。」
借りてて良かった双眼鏡...。
ん....!!
「長物のライフル持ってるな...。」
「すこーし前に狙ってきた奴かもしれないねぇ...ふふふ、受けて立とぅぎゅう...」
「少し抑えてください。」
ぺしぺしぺし...
解除。
「さて、どうするかなぁ...」
「相手の方は標準器を付けてますね....。どうやら....。」
「じゃあ当て感的には物理的に上ってことだな...?」
「あ。」
「どうした」
「....め、目が合いました....。」
弾丸が横を掠め....。
「ひゃうっ!?」
だっしゅうう!!と銃声。
情けない声を上げてルアは引っ込む。
どうやら、普通にバレていたらしい...
「なんかいい方法ないかねぇ...」
「師匠って...アレ一発当たってるから、次当たったらアウトじゃないですか...。」
「そうねぇ...避けるのは多分楽なんだがねぇ...」
「簡単におっしゃる...。」
あのライフルは何発で
師匠のは8発だったから多くて10....
少なくて5発って辺りかな...。
あれ、そういえば弾の数大丈夫か...?
師匠のは8発撃ち切るまで
再装填不可だった気がする...。
何発撃ったか...。
いち、に、さん、よん...あと4発......
これとかああいうライフルってどれも
全弾撃ち切らないと再装填出来ないのかな?
うーん....分からないな....。
これがおかしいのか、それが普通なのか...。
長距離のいじっておけば良かったぁ....
と肩を摩っていると...
「いない!!さっきのヒトがいません!!」
「私達も移動しようか...ここに居るとまずいぞ」
たったった...
だっしゅう!!!
「たーっ...あぶないなぁ...半歩歩いてたら即死だった」
だす....
たかぁああん!!!
カウンタースナイプの意を少し含めて、
取り敢えず屋内に隠れる。
「動くのもかなるまずいですね....。さっき倒した奴からスコープ貰っておけば良かったかな...。」
「こら、そういうの言わない....て言いたいけど少年なら若しかしたらそれでやり返せるよな....おや?」
「...なんです?」
「少年さ....」
「やっぱ辞めるパターンですか」
「違う。肩痛めたか?」
「ッ....。」
「ビンゴだな...反動がキツイんだやっぱり...すまない」
「大丈夫ですよ...当てれば良いんです....それと賞金で何とかなりますよきっと...!!」
「やる気は残ってるね!...あ、そうだ...いい考えがある...」
視点...
頭にバンダナを巻いて、長物...
シュネーのと同じくらいのサイズの、
標準器カスタムの自前ライフルを携える男...
彼は皆勤男だった。
今まで31回の大会にて、
好成績をたたき出し続ける男。
いつも2位とか3位...。
今回で32回目のエントリー...。
自慢の愛銃もすっかり大人びてきた...。
彼が優勝出来ない理由というのも、
かなり運が悪いだけだった....
実力だけなら十分勝てていた。
銃弾入れが壊れたり、火薬が湿気っていたり。
それはもうツイテナカッタ....。
だが彼は勝利など気にしていなかった...。
と言うより元から勝利は目指していなかった。
始めた理由も
彼が出る理由は、大会に出続けるという事。
ただそれだけが誉の、皆勤男だった。
『相手の得物の
彼は屋根の上を落ちないよう慎重に進み、
相手、自分の射線を調整している...
たぁああんっ!!
『おっと...ん...危ない....。思わず身を出すとこだったな....。適当に撃ったんだ....さて、あそこか』
かち、
だっしゅううう!!
白い影が走り出す...。
『そこだ!』
だっしゅううん!!
ずぱん!
紫の光が散る...ヒットしたようだ....。
しかし、倒れない....。
5点5点でそろそろ落ちると思ったが...。
当たりが悪かったか?
初回は手だったし若しかしたら、
遂に当たりどころ次第で
ポイント変動する様になったか?
しかしじっくり見る事も出来ないから
どこに当たったかは詳しくは分からん...。
再び移動する...。
たぁああんっ!!
『銃声...!』
再び伏せる。
『......。飛び出した!』
銀の髪がヒラヒラと舞うのを確認...
確信した頃には既に撃っていた。
スコープを見ずとも恐ろしく正確な狙撃。
だっしゅうううう!!
紫の光...がヒットを知らせる!
大きく身体を仰け反らせた。
『なんで....倒れない.....?!』
銀髪の女はこちらを見ている。
スコープの先でニイっと笑うと...。
背負っているライフルをこちらに向け...
いや、銃口がズレているのが
スコープ越しでも分かる...。
囮で間違いない....。
もう1人はあの家の中.......!
中近距離戦用のPDWかなんか持ってた筈だ...
おそらくアレを狙おうとしたのを
撃とうとしてる筈、
だが火力は明らかに足りないだろう!
たぁああんっ!
これに気は取られなかった....
当たらない事を完全に読んでいたからだ...
そしてその読みは正しく、
頭の20センチ上を通り過ぎていった。
だがそれからは読め無かった...。
カキーン!!!
知らない音に怯んでしまった。
その一瞬だった。
じゃき...。
「僕が...勝ちました。」
男の背後から忍び寄ったルアは、
拳銃を頭に押し付ける...。
男は手を挙げる...。
『すごいな...まさか2回目に当てたと思ったのが君だったなんて....』
ルアは純白の羽織についたフードを下ろし...
「ごめーとー」
『でも3回目は本人だったんだろう?私のライフルなら有効射程内なら頭以外は必ず5点の判定が出る筈なんだ...例え手でもね?どうやって?』
「この大会で得点を得る時、"弾速"で採点してますよね?」
『...まさか!』
「あの人僕でもよく分からないフィジカル何ですけど....それは一旦置いておきますね...。弾が当たる前に弾と同じ向きに、弾に近いスピードで掴む...と手と弾の相対速度が狭まって掴める...らしいです。完全にゼロには出来なかったみたいですね。1,2点は入ってますよ多分。」
『なんじゃそりゃあ...馬鹿げてるな....。』
「僕にもよく分からんです。」
男はゆっくりと威嚇にならないように、
愛銃を背中に背負うと
『はっはっはっは!!ほら、やってくれ!楽しかったよ...また会おうな!』
ニカッと笑った。
ずがぁあん!!
舞ったのは紫の光...ではなかった....。
ではなにか.....
それは赤い
EXT
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