銃撃戦の国:Phase[2]

 たたたたたたた....

ぱしゅぱしゅぱすぱすぱす!!


 残り45


 がっ!がスっ!

たたたたたたた....

チャクっ...

ぱしぃっぱすぱすぱすぱす...!!!


 残り44


「ぶっはぁ......はぁ...はぁ......。」

盛大に息を切らして勝手に死にかけてた

黒髪にターコイズブルーの瞳の少女...

「むっ」「お、敵か!?」「違います」

少年、ルアは戦ってきたばかりだ...。

「大丈夫か?少年」

多分心配してくれる様に話しかけた、

銀の髪にパステルピンクの瞳、

猫の様に細い瞳孔を持つ女性...。

彼女の名はシュネー。

「大丈夫...だと思います......多分。」

「体力無いのな」

「すみませんね!」

二人はこれまでに4人を撃破...

このスコアがどの程度なのかは、

彼らにはよく分からない。

「移動しますか....。」

だっしゅうう.....

シュネーは即座にルアの頭に手を翳し、

「ぐっ!ってぇ....」

「師匠!」

「5ポイントくらい取られたかな〜...」

手をヒラヒラさせる。

衝撃波だけは身体に届くので、

弾が食い込む事は無くとも痛みだけ届く。

これだけはどうしようも無かったらしく、

説明の紙でお詫び申し上げ....されている。

「一旦離れようか!」

「そうしましょう....。」

シュネーは当たった火力から

大体こんぐらい届くなー...的なのを

何となく割り出し、

その射程から逃れる事にした。

レンタル品で1,2番レベルで射程のあった、

シュネーのライフルくらい射程はある。

そこら辺はわからん!取り敢えず....

「1キロとかなりダッシュだ少年!乗ってけ!」

「げぇっ....。よいしょ....。」


『こいつら....走って逃げやがった....下手に撃つとバレるし....もうあんな離れてるし...てかなんでおぶってる方が速いんだ....ん...まぁ深追いは辞めておこうかな.......』

狙撃した男も移動を始めてそこを去った。


「し、ししょう...恥ずかしいんでもう...。」

「誰もいないでしょー」

「モニターされてますよ。」

「あ、そっか」

ぼす

「ヒドイ。」

森の中...すぐ隣は湖畔。

これも全てこの為だけに作ったのか....

恐ろしい国だなとルアは思った。

「にしても...なんか居そうですね...」

薄暗い森、ここだけかなーり湿度が高い。


 ここでとある話をしよう...。

この大会....。

割とどさくさに紛れて悪い奴が居る。

実弾を予め埋めておいて、

当日の検査でスルーしたりとか居る。

ここで更に一つ...お知らせがある。

シュネーはギルドにとある判定を食らった。

監視級と呼ばれ、

この世界に何か異常を来たす存在として...。

ギルドや、教会から

暗殺者達が度々派遣されている。

ちなみに監視級と言っても、

完全に捕捉して監視しているのは、

かなり少ない...。

なぜ警戒級とか、

そういう名前にしなかったのかは....

それの提唱者のみぞ知る。

つまり、この戦場の中にも...

その監視級ハンターが居る。

ちなみに監視級は一つとして

撃破されてない。

という訳で...ギルドや魔法協会の勝率は....

今んとこZERO....。

なぜこんなこと続けるかと言うと...

もちろんお金がいっぱい取れるから.....。

話を物語へと戻そう。


『遂にか...配置に着いたな?』

『Yes』』


「不気味ですね...お化けでもいそうです。」

「いないいない!」

がさ...

「ひぇぇ...。」

「そんなに気になるなら....」

じゃきっ....

「音出しゃ気になんないっしょ!」

「えぇ....。」

たぁああんっ!

がさがさがさっ!!

『きゅう!』

と、飛び出したのは

なんかねずみみたいな小動物

「紛らわしいねぇ...ん、」

シュネーの回避した直後に、

その真後ろの木に穴が空く。

「しsy.....!!」

シュネーがルアの口を抑え、そのまま小声で

「静かに.....やっぱ別にいるね...」

「音もしませんでした」

ルアも小声で返す。

「どうせ撃ったら移動してんだろうな...しかも消音器サプレッサー付きと来た...」

「何か相手の位置を知る方法はないでしょうか...。」

「そうねぇ.....っと」

シュネーは再び避ける。

そして

ぱしゅん!

音が鳴る

なぜ、師匠ばかり狙う...

僕を狙えば一撃なのに...

なんだ?

この弾....もしかして実弾か...?

刻印が無いぞ......。

ルアは巡らせて一つの結論に至る。

「師匠! 弾キャッチ出来ますか!?」

「分からん。でもそんな事したらたちまちポイント溜まってゲームオーバーだぞ」

「違います、これ実弾です...今確認しました。」

「へぇ...じゃあ相手はどさくさ暗殺者って訳だ....っと...でも悪いけど避けるよ?痛いもん」

「じゃあしっかり囮してくださいね。」

「キャッチ出来たら盾にしてたな少年...まぁいいわ!運動の時間だ!!」

声のトーンを元に戻しながらそう言う。

後は師匠がやられるか、僕が見つけるかだ、

どう見つけようか...。

弾が来た方向にこの短機関銃ばら撒くか?


 ちなみに分類はPDWという物らしいが、

ルアの知ったことでは無い。


 でも、弾が勿体無いかも...。

そういえば師匠はどう避けてる?

音なんて撃たれてから届くし、

そもそも全然聞こえないし....!

考えながら近くの叢に飛び込んで、

シュネーの方を見ると....。

ちらっ...と何か映る....

赤い光がシュネーの白い肌を照らした瞬間、

シュネーは回避行動を取り、

直後に弾が飛んでくる。

「このヒト...光を肌で感じてるんですか...?」

訳分からん師匠の生態に若干呆れつつ...。

光を辿る事にする。

そしてまた、ぴっ....光が額に入る。

「方向は....真後ろ!!」

だだだだだだだだだ....

振り返ってその短機関銃で

銃弾を横一列に並べる様に撃つ。

シュネーにかかっていた光は

避ける動作をする前に、どこかへ行った。

ルアはその方向に走り.....。

「いた!!!」

『ちぃっ!こんな小娘が!』

「僕は!!違う!!」

たぁあああんっ!

ライフルを一撃...。

先程当たった分も含めて丁度良かったらしい。

男は消えた。

だっだっだっだ...!

じゃき....

『ガキは引っ込んでな...』

後ろを取られてしまった。

「君も引っ込んでな〜手を上げろ...持ってるもんは落としな」

じゃこ....

『な.....!だがもう一人いるんだぞ?』

「じゃあ連絡してみなよ...」

『まさか....』

ぱすぱすぱすぱす....。

「師匠...1人で2人を?」

「いや?まだどっかにいるよ?連絡すれば助けに来たのになァ〜かわいそー」

「怖ぇ....。あれ...これって...。」

「魔鉱石じゃん」

さっき手で持っていた者が落ちた時に、

テレポートの射程から外れていたらしい。

「多分通信石ですね....あ!」

「どうしたの少年」

するとルアは、

ヤケにガラガラな声で....ついでに悪い顔で.....

「ガキを始末した...。お前はガキの処理を頼む....。」

だっだっだっだっだ.....

足音に向かって通信石を投げつけると..,

『なんだこれ...通信石!?なんで?ボス!!』

たぁああん!だだだっ!

合い挽きで撃ち込んでノックアウト。

「うわ〜ひでぇや」

ライフルを返してルアは...

「次、行きましょう。」

「はいよ」


 残り32


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