銃撃戦の国:Phase[1]
3、2、1.....。
ぱぁああん!
『どうも皆さんこんにちは!第32回、ガンファイトサバイバル....遂に始まりの時がやって参りましたッ!総勢50人越えの銃撃戦をみんなでバッチリ盛り上げていきましょう!....さて、毎年毎年、新しい顔が見えますから、恒例の代表からのお言葉です!ではどうぞ!』
『はい、えー、このガンファイトサバイバルが始まったのはそのまま32年前。我が国は古代異装、特に銃のレプリカの製造に力を入れており、それのPRとして...この大会がスタートしました。銃は殺す道具です。ですが使い方次第で人を盛り上げるスポーツにもなります。旅人や商人...ガンマンやビギナーまで....銃を知って、そして扱い方を、楽しさを、危険さを...スポーツという熱を持って...!では、皆さん準備は良いですね?戦いとは突然ですよ?腕に巻いて貰ったバンドが装置です。空間魔法ですので、オリジナルの古代異装もしっかり戦場へ送り届けますよ?絶対に落とさないように。ルールは簡単...10ポイント分を相手に蓄積させるだけ!頭は10〜5点、他なら5〜1点...シンプルに行きましょう、全部当てて全部良ければ勝てますよ!さて、そろそろ開幕が近くなって参りましたぞ?....いいかな?』
『結界も作動。準備OKです』
『よし、では行こう!火薬と炎の世界へ!!レディ.....ゴ──────ッ!!!!』
ばしゅう.....。
「ペアはちゃんと同じ場所に飛ばされるようだな」
銀の髪を振り流し、
パステルピンクの瞳と猫の様に細い瞳孔。
彼女の名はシュネー。
「じゃなかったら大変ですよ。」
黒い髪をボサボサのままにした、
ターコイズブルーの瞳の少女...
「むっ」「敵か!?」「違います」
少年、ルアは双眼鏡を覗いていた。
「あ、敵です。僕から11時の方向、300mです。」
「狙い撃つぜ!」
じゃきっ....。
....あれ?このヒト、スコープ付けて無いぞ....
自信ニキなのか師匠は....。
あ、でもあれかな
スコープに反射して光る奴....
名前あったっけ...?...の防止かもしれないか?
とか思ってるうちに...
たァああんっ!
7.8mmの特殊弾頭が
その獲物に襲いかかる───...
ことも無く...ふつうに外れる。
「やっべ」
「うん、まぁ知ってたです。」
づだだだだだだだだ!!
勿論撃ち返される。
岩陰に隠れて凌ぐ......
「これ生き残れますかね....」
「やってみる、出来なかったら、諦める。師匠、心の俳句」
「えぇ....。」
「まだできないと決まった訳では無かろうがっと!あぶねぇ....」
「心配だぁ...。」
するとシュネーはおもむろに石を拾い上げ、
「よっ」
遠くの草むらに投げる。
そしてぼさっとそこに落ちた....。
警戒状態のヒトは少しの物音や動きも、
大に聴こえ、大に見えてしまう....
唯一に残留する本能の欠片か....。
相手の2人も例外では無く、
警戒をそちらに向ける...
向けてしまった事が運の尽きだった。
「一つ....」
たぁあっあぁあん!!
1発を見事頭に叩き込み、
紫の火花と共に一人が虚構へと消える。
もう一人は気づくが時既に遅し...
シュネーに
『ひ、卑怯だ....!と言いたいけど....ルール的には有りなので受け入れます。それと美人なので全然アリですね....後で名前を....』
だだだだだだだだだだ.....
10発ポッキリを脇腹に撃ちつけて撃破。
「名前なら優勝したら出るから待ってな」
痛そう....。
残り46
「師匠これ返しますね」
「あー、ほいほい」
「重いので使う時だけ貸してください」
「あはい」
二人は移動する事にした。
先の戦闘で位置バレしていては、
ここに集団が集まってくる可能性がある。
それと、仕留める為に下に来てしまった為、
離れた方が良さそうだ。
前方に建物が幾つか建っており、
それもフィールドの一部らしい。
この為だけに建てたのだとか....。
そこへ向かう...
場合によれば銃撃戦確定だが....。
隠れる場所も十分だろう。
隠れているその間は隣の戦闘狂を、
抑える事を優先する事にした。
「ど、どうした少年ッ!遂に惚れちまったか?えへへー」
「違いますよ...。目隠しでもしててください。危ないですから。」
「私を心配して!?いやぁ...やだなもー」
「"ししょー"が危ないんです。バレたら行けませんよ。」
「ちぇ」
「なにがぁ!」
『誰だお前らッ!』
ぱすっ!
サプレッサー付き...低反動の拳銃。
3丁ある内、唯一の自前の武器だ。
『ちっ撃ってきた!』
「やっぱ
「んーしょうたいむ」
さっきの弾は普通に外しだ...。
咄嗟に当てる何ては流石に無理...。
「長い奴借りますよ。」
じゃキッ...。
この辺りに一体どれだけの相手が居るのか...
調べる手段は無い。
無闇に音の出る武器を撃つと
それはそれは何人集まって来るだろうか...。
ならばこの拳銃を使いたいところだが...。
火力が無さすぎる...。
いや、銃器だからちゃんと闘える。
だがそれは実弾での話だ...。
このサバイバルにおいて、
得点の決まり具合は弾のスピード、
そして当たり具合で決まる...。
頭部にできる限り接近して正確に撃つ...。
......あれ...考えれば、なんかいける気がする...
自分のすばしっこさを信じるんだ....。
ルアはそう思うと...
シュネーのライフルを返却し...。
「師匠、行きますよ...。」
「お、流れ変わったかな?」
EXT
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