銃撃戦の国:Phase[0]

 たったったったたたたたたた.....

いつもよりスピードを出して、

クリーム色にイカした赤のラインが目を引く。

その四輪自動車型古代異装の運転席に、

余裕をもって座れる程に華奢な少女...

「むっ」「どしたー」「なにも」

少年、ルアは少しピリピリしていた。

「しょうねーん...感情は抑えろー事故るぞー」

後ろからする声の主は、

銀の髪にパステルピンクの瞳、

猫の様に細い瞳孔を持つ....。

彼女の名はシュネー。

「いつもスピード出せって言ってるじゃないですか。」

「えへへへ....うおっ」

ぐいんと加速してバランスを崩しそうになる。

意外とデリケートなんだな....と

シュネーは思った。

一応、シュネーがやらかした訳ではなく...

前回に行った国で、

場を離れた隙に何かあったようだ...。

だが、だからといって....

それは引き摺るもんじゃない。

「壁、見えましたよ!」

「ほーい...うよっ」

また加速した。

危ない。


 そうして、あっという間に着いた。

『旅人さんですね?どうぞこちらへ!』

何も考えず待合室に入る。

張り紙が貼られていたり、

本が置かれていたり....。と...

「何これ...お!」

「なんです?」

「見てこれ!面白そうじゃん?」

「どれです?」

「これです」

その張り紙と同じ物を見せる。

因みに同じ物は、

ご自由にお取りくださいの所に積んであった。

その内容は...

「第32回ガンファイトサバイバル...?」

「そそ、なんか良さそうじゃない?」

「銃無いです。」

「一個有るし、そもそも借りれるぞ....あと....賞金見ろ」

「いちじゅう...金貨100枚.....。」

「そうだよ」

「金貨100....100....金貨?....えぇっ!?」

「まぁ優勝金だけどね!それ以下でもなんか貰えるって!」

金貨10枚とは、

お城建てるぐらいなら余裕な額だ。

「やる?やらない?」

「うう.....」

「怒りを発散できるかもよ?」

「あっ.....」

『旅人さm』

「やりますよッ!!!!」

『えぇ....』


 という訳で入国した。

大会へのエントリーを済ませて、

今日は宿に入り浸る。

もう辺り暗いからね!

風呂上がりに行ったのは、

観光のプラン作成では無く、

明後日の大会のルール確認。

「えーと...時前で持ち込む事のできるのは、銃、プロテクター、勿論衣類。実弾や、ナイフ等の格闘武器は無論、使用不可とする。」

「ほうほう」

「銃、プロテクターについては、貸し出しが有ります....レンタルの試し撃ちは前日より可能です....。」

「ほうほうほう」

「大会のルール...1チーム1人から3人まで、魔法センサーを装備し...開幕に空間魔法でテレポーションし、ランダムでフィールド内の何処かに飛ばされます。そこから生き残った最後のチームが優勝となります。1人でも生き延びれば良い。」

「ほうほうほうほう」

「フィールドの端は結界があるため、出ることは出来ません。トイレ等は事前に済ませてください。自身を撃てば、そのまま離脱もできますので、非常時には活用してください。」

「脱落の仕組み、特殊な弾頭に仕込まれた、高度な分解魔法が、センサーと連動します。一定速度で身体に触れた弾は着弾と共に分解消滅。分解時の反動による痛みが有りますので注意してください。分解されるとセンサーが着弾した数を計測します。計測値が一定数を越えた場合、装置の空間魔法が発動し、待機場に送られます。大型の写影石(動)にて応援していて下さい。ドリンク無料です。」

「ドリンク無料かー」

「でー...後は特にないですね。」

「少年ってさぁ〜意外と....」

「何です?」

「.....やっぱいい」

「ちょ...気になるじゃないですか! 」


 そして次の日...。

銃を選択する事にした。

「持ってるのはどうするんです?」

「うーん...少年が使いな....私はこの...」

 と、シュネーが壁掛けから取り上げたのは...

そこそこ身長あるシュネーでも腰程まである

木製のガワを持ったライフル銃。

「...でかくないですか?」

「いいじゃん、かっこいいもん」

因みに150cmくらいのルアからすれば、

アバラの辺りまで来る....。

「試し撃ちできますけど」

「いいのいいの〜...。あ、プロテクターの採寸行ってくるぜ〜」

「は...はぁ...。僕も射程長めの持った方が良いですかね...」

『一人入れば良いのでは?』

レンタル場の係員が言う。

「ま、そうですけど....ね」

『信頼してないんです?』

「信頼の上に...なんというか....まだ、分かりませんね....」

『完璧な信頼、できるようになると良いですね。あ、近中距離ならこんなの如何でしょう...反動も少なめですし、どうでしょう...弾込めても2キロいかないぐらいですよ』

「はえぇ....少し試し撃ちいいですか?」

『いいですよ〜』

「しょーねーん見て見て〜....て、何それ!カッコイイんだけど....」

「いいですよねこれ、早い者勝ちですよ〜。」

「がぁー!ずるいぞぉ少年」


ワイワイやってその日は終わった。

そして明日が始まる.......。


EXT




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