ドライヴイン
たたたたたたたっったたた.....。
道々を行くのは小人。
本来一人乗りの四輪自動車型古代異装。
「ししょーなんもないですよー」
後ろから伸びるパイプに語りかける
黒髪短髪のターコイズ色の目をした少女....
「むっ」「どーしたー」「いや、なにも」
少年、ルアが告げた先には、
「もっと進もう...なんかあるはず....」
長い銀髪を下ろし、パステルピンクの瞳、
そして猫の様に細い瞳孔を持つ女性。
因みに身長168cm。体重は...
「おっとレディには失礼なんじゃない?」
「どうしましたかー」「なーんも」
そんな二人は偶に木のある、
川沿いを進んでいた。
数十マイル進んでから
遠くに確認出来たのは家の様な建物。
「看板が見えるねぇ....」
「休憩できるところかもしれませんね。」
「よし、休憩だ」
「ほいさー。」
たるるるるるるるたたたたたごこん!
丁寧に用意された駐車場に停めると
それぞれ降り、鍵を閉めて入店する。
からんからん....。
ドアについた大きめのベルが音を奏でる。
『『いらっしゃいませっ!』』
出迎えてくれたのは2人の少女。
白い服と紺の服を身につけ、
曇り無きグリーンの瞳を持っている。
「手を出しちゃダメですよ。」
「出さないよーん。よしよしよし....」
きゃっきゃと
その二人の頭を撫でる銀髪を他所に、
「誰かいませんか〜」
ほかの店員を探す。
『はいはい〜...あららトリ、ツバイ?ダメですよ迷惑をかけたら....』
店の奥から
青いエプロンを身につけた女性が現れる。
どうやら白い服を着た方がトリ。
紺の服を着たのがツバイだろう。
顔が二人共そっくりな事から
おそらく双子なのだろう。
「大丈夫です。迷惑かけてるのは銀髪の方です。」
「あ〜レ〜」グッとシュネーを引き剥がすと
「何か食べる物はありますか?」
二人は窓際2人席のテーブルに座り、
メニューの中でそれぞれ好きな物を頼んだ。
ルアはブラックのコーヒー。
シュネーはハニーミルク何たらコーヒー。
名前が長かったが
とても甘そうだった事しか覚えていない。
少ししてコーヒーが
『『コーヒーお届け参りました!』』
香ばしい香りと元気な声と共に届いた。
お礼をして受け取る。
ルアはそのまま飲まず、
砂糖ブロックを3個程溶かし入れて飲んだ。
「ブラックじゃないじゃーん」
「これぐらいがいいんですっ!!」
二人の間に暖かい時間が流れた。
......そこに。
ばぁあああん!!
からんからからんんからん!!!
ごつく、いかにも悪そうな男3人が入店した。
『『いらっしゃいませっ!あうっ...』』
押しのけられ、
ムッとした顔を見せた双子を尻目に、
『コーヒーだ』
注文するなり男3人はドカっと座った。
少しして、
『テメェ腕が邪魔だ』
『んだとテメぇおら!!』
なんと喧嘩しだした。
ムードを返してくれ!
とルアは思った。
遂には殴り合い始めたが、
そこに
『『お待たせしましたっ!!』』
コーヒーが届く。
届くなりそれを男一人が持ち上げると、
喧嘩するもう一方に投げ付ける。
さらにエスカレートして行き、
イスで殴り始めた。
小声でルアは
「師匠...喧嘩止めましょうよ」
「少年はあれより強いのかな?」
「えっ....。」
「助けるのはそれ相応の力が必要だ。無論、助ける行為と言うのはヒトとして素晴らしい行為でもある。しかし、被害を増すだけの争いに入る気もないし、例え頼んだのが少年であっても私自身が助けたいと思えなければ私は行動する気は無いよ」
「......。」
突如シュネーは顔をグイッと近づけると
ルアの顎を親指で軽くリフトし、
「そもそも、助ける必要無いかもしれんぞ?」
クイッとルアの顔の向きを変える。
その向きの先では.....。
投げたイスがトリにぶつかった!
が、トリは無事だった。
それどころか....
『コーヒー無駄にするのイケナイ!』
腰に手を当て可愛らしく叱り始めた。
『なんだこのガキが...ボス、
『あぁ』『ありがとさんよぉ!!』
男はトリを殴り付けた....
が、殴り飛んだのは男の方だった。
「え.....ええ!?」
『あらあら、トリったらダメですよ?言葉で解決しないと...』
『でもダメだったじゃん!』
『ツバイも殴る!』
『あらら....!ダメですよツバイ?暴力は行けません!』
二人の瞳は怪しく、紅に光っていた。
「身体強化系の魔法!?...一体どうなってるんだ!?」
「間違いなく言えるのはしょーねんより何倍も強いよんってこと」
「うっ、本当の事が刺さる!!」
後ろから男、ボスと呼ばれていた男が
巨体にモノを言わせ、
2人のお母さんに殴りかかる。
だが、頭を少し傾けただけで
軽々と避けられてしまう。
お母さんは振り向き、
『あらら、新しいの持ってきますから...座ってお待ちくださいね♪』
『なんなんだテメェ!?このッ!』
今度はイスを持ち上げ叩きつけるが!
片手で優しく止められ、
新しい鉄拳制裁をお渡しされてしまった。
『ズルい!』ツバイが言う。
『あら....やってしまいました....。』
お母さんの瞳も紅く揺らめく。
『ば、化け物だッ!』
残された男は逃げ出すが、
既にツバイが行く手を阻む。
『なぁかよくしようぜぃ!』
『う、うわぁぁぁあぁぁぁぁぁ.....!!!』
ルアは考えるのを辞めたかった。
ルア一行が喫茶店を出て少ししてから、
その喫茶店には保安官が訪れた。
3人の男は様々な国で
89件以上の銀行強盗、盗賊行為を行い、
ここら一帯の国から指名手配が出されていた。
トラックに積まれていた金貨等は
銀行や持ち主に返され、
保安隊からは感謝の印として、店の修復や、
多額の懸賞金が渡された。
その旨が書かれた新聞の見出しには、
[お手柄!喫茶三銃士、悪党を撃沈!]
とでかでかと書かれ、3人の写真。
お母さんことウノ、
そしてツバイ、トリの双子姉妹が写っている。
インタビューコーナーには、
{お客様に迷惑をかけてしまったかもしれません....。私やっぱり喫茶店向いて無いかも...。}
というウノのコメントと、
双子の
{みんなここでこーひー飲め!}
というコメントが綴られていた。
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