【第14話】史上サイテーの「ざまぁ」

バコン!


さすがの僕も、これには全力でツッコミを入れらせてもらった。


「痛いポコ……」


「調子に乗るんじゃありません。みなさーん! 申し訳ございませんが、みなさんを勇者パーティーに加えることはできませーん!」


「えっ!? なんでポコ!?」


「なぜですか?」

「ジーロさま、どうして?」

「そんなー……!」


「僕たちは魔王と戦うのではなく、できれば穏便に、話し合いで友だちを返してもらいたいと考えているのです。大勢で押しかけてしまったら、魔王も攻撃しにきたと思って、当然、攻撃してくることでしょう。僕はあなたたちにケガをしてほしくないのです。どうか、わかってください」


「おやさしいジーロさま……」

「ブラボー! ジーロさま!」

「ジーロさま、バンザイ!」


みんな、わかってくれたようだ。


そのときエロイザが、仲間の勇者3人を両腕と背中で支えながら現れた。


3人の男性勇者は一様にやせ細り、疲れきっていた。

水も食料も与えられず、懲罰房にとらわれていたのだから、当然だ。


「3人とも、大丈夫ですか?」


「なんとか命拾いしたよ……。ありがとう」

「ジーロ……あのときはすまなかった。おまえを追放したバチが当たったよ」

「すまん……。本当にすまん、ジーロ」


「いいんですよ。もう済んだことです」


だが、そこに飛び出してきたのはポコタンだった。


「ポコは許さないポコ!」


「ポコタン、そんなこといわずに許してあげましょうよ。あの3人の姿をご覧なさい。もう十分に報いを受けてるじゃないですか」


「3人はいいポコ。問題はエロイザポコ!」


「えっ!? 私?」


「そうポコ! もとはといえば、最初にジーロを追放するといい出したのはエロイザポコ! それなのに、ぜんぜんバチが当たってないポコ!」


「そんなこといわれても……。でも、衛兵だって大変だったんだから! ゲロフレアにお酌をさせられたり、しょっちゅう胸やお尻を触られたり……!」


「それぐらいじゃ、甘いポコ!」


「じゃあ、どうすればいいのよ!?」


「ちょっと、こっちに来るポコ」


ポコタンはエロイザを厨房に導き入れた。


「ジーロ、ちょっと待ってるポコ。エロイザと2人だけで話をつけるポコ」


「……はあ。それでポコタンが納得するなら」


バタン!

ガチャン!

ポコタンが厨房の扉に鍵をかけた。


いったい何をするつもりなんでしょうか。

厨房の中から、かすかに話し声が聞こえてきますが、盗み聞きは失礼なので、やめておきましょう。


今回のお話はここでおしまいです。

みなさんも、盗み聞きなんかするのはやめて、今日はもう、ゆっくりお休みください。


では、また次回!


「……で、ポコタン。私は何をすれば許してくれるのよ?」


「とりあえず、一杯飲みながら話すポコ」


「ああ、ありがと」


「さあ、飲んで飲んで」


「ゴクゴクゴク……。おいしいな。……ってコレ、さっきゲロフレアが変になっちゃった料理じゃないのか?」


「そうポコ。今ごろ気がついても遅いポコ!」


「………………。おかわり」


「おかわりがほしかったら、ブラをとるポコ」


「えっ!? ……もう、しかたがないわね……ほら」


「ポコーッ。チェリー! チェリーブラッサムポコ!」


「早く、おかわりをちょうだい」


「はい、ポコ」


「ゴクゴク……。おいしい! もう一杯!」


「だったら、下も脱ぐポコ」


「わかったわよ……ほら」


「クーッ。近くで! もっと近くで見せるポコ!」


「早くおかわりをちょうだいよ」


「はい、ポコ」


「ゴクゴクゴク……。もっとある?」


「もちろん、あるポコ。もっとスープがほしかったら──」


「……ッ!? ……あっ、いやっ! あん、あーーーっ!」


「ポコーーーーーッ!」

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