第6話
さて、困ったぞ……。
呂布が董卓を討ったのか~。
呂布だけじゃない。李傕と郭汜も来るぞ。
「献帝を保護する必要が、あると思う?」
う~ん。正直、微妙。
献帝って実は気性が激しいのよね。殿では、抑えられないと思う。
曹操だったからって思ってしまう。
だけど、官軍の称号は欲しいな~。
「まず、洛陽にいると危ないので保護しましょう。そんで、劉岱殿に洛陽の復興を依頼しましょうか……。兗州の方が近いので」
「何でそんな面倒なことするの?」
「献帝を見捨てて、生き残られると、後で無理難題が来ます。少しだけでも助けたという事実が必要です」
「それなら、洛陽に兵を派遣すればいいんじゃない?」
「冀州兵を長期間派兵するとなると、公孫瓚が挙兵しますね。短期間なら、青州兵で牽制できますけど……。手順が間違っています。それと、資金は出したくありません」
「……君、視野が広いね。頼もしいのよ~ん」
歴史知ってますからね。
それと、誰からも反対意見は出なかった。
◇
「ふ~う。なんで、私が洛陽に行かなければならないんだ? それも、十万もの軍を率いて……」
ため息が出た。
「ははは。御冗談を。郭図様意外に、この様な大役を引き受けられる人材などおりませぬ」
超雲君……。君の中の私は、評価高すぎだよ。それと、張郃と張遼は無言だ。
道中は、何事もなく洛陽へ着いた。着いちゃった。トラブル起きて、冀州に帰りたかったのに。
あ……。ちょっとだけあったか。
「郭図様。洛陽が遠目に見えました。もう少しです」
「ありがとう。劉備君。君、頼りになるね~」
そう……。劉備三兄弟が、配下に加わりたいと言って来たのだ。
張遼の勧めもあって、配下に加えた。とりあえず、下級役人だな。
関羽と張飛の武力も欲しい。それと、献帝の護衛に彼等ほど向いた人材もいないだろう。
そんなこんなで、洛陽に着く。
まず、献帝に挨拶だ。
「呼びかけに応じて、冀州兵十万人参上いたしました」
「ちっ、遅ぇんだよ。まず、洛陽を復興しろ! 早急に元に戻せよ!」
ダメだ、この帝……。支えるに値しない。
まあ、皇帝なんてこんなもんか。
とりあえず、復興する振りをする。瓦礫の撤去から始めて、資金を温存する。
そうすると、李傕と郭汜が軍を率いて来た。正史通りだな。
献帝に報告して、兗州へ逃げて貰う。護衛は、劉備君たちにお願いする。
「そんじゃ、迎撃よろしくね~。そんなに強くないと思うけど、油断はしないでね」
「「「はっ!」」」
張郃・張遼・超雲が、突撃して行った。
もうシミュレーションゲームなら、これ以上ないって布陣だよね。
李傕と郭汜は、サクッと討ち取られた。まあなんだ、役者が違うよね。
郭図の私が言うのもなんだけど。
それと、これからどうしようかな~。
「郭図様。献帝が戻って来たら面倒です。帰りましょう」
うん、そうだよね~。
でも放置すると、もっと面倒なこともあるんだよ。
「長安に行こうか。残存兵力が残っているかもしれない」
「「「えっ!?」」」
うん、意味不明だよね。歴史を知らないと、この判断を下せないのは、私も理解できる。
◇
長安はとりあえず無事だった。住む所も食料もある。
歴史だと、盗賊が住み着いて一大勢力になるんだよな~。曹操は、手を焼かれることになる。まあ、最終的には制圧するんだけど。今の内に、平定しておきたい。
「でも、誰に任せるかな~。長安は、冀州から遠いんだよね~」
「郭図様が、統治なされては? 独立されるのです! いえ、されるべきです!」
「えっ!?」
三人の将軍が、真剣な眼差しを私に送って来た。
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