マッケンジー音楽室【メタル＆プログレ】

36. 注目の新作：6月号【プログレ編】LUMSK／K'MONO／THE FORTY DAYSほか

プログレ編は新鋭・中堅・ベテランとバランスよく集まりました。

◆LUMSK『Fremmede Toner』

https://open.spotify.com/album/5M7mqhTcOo1TUbnxa8Lrn3?si=t09TobY6TFWnVtzbNPLVWw

16年ぶり4th。前作より陰影色濃くも陰鬱にはならない匙加減。ノルウェー語の女性Vo.やメロトロン、バイオリンが郷愁を誘う牧歌的な空気は健在です。

◆K'MONO『Mind Out Of Mind』

https://open.spotify.com/album/0qUjE2CTexrfZHTDIKMnRk?si=I8oogd37Q429HvIX-6-RBw

北米産。UKレトロ趣味全開な空気に耳を奪われますがPORCUPINE TREEのような知的で洗練されたセンスが土台にある印象。前作より大幅飛躍した傑作2ndです。

◆LARS FREDRIK FRØISLIE『Fire Fortellinger』

https://open.spotify.com/album/7kS5Tq5i2l2hRFoE66iqK4?si=ky3DgkjzRZOhg-FbC8FlFQ

WOBBLERほか参加のKey奏者ソロ作。伊っぽい美意識のレトロ志向なシンフォにノルウェー語の歌詞。各種鍵盤の多彩な音色が降り注ぐ快感に酔い痴れます。

◆THE FORTY DAYS『Beyond The Air』

https://open.spotify.com/album/7wh60tCbYBO1ZCOYOG2rz2?si=iLOiHvQuSS6QwWZf0l5XkA

伊シンフォ2nd。全編英詞。1stよりもPINK FLOYD味が若干後退し、北米風の爽快サウンドに。落ち着きあるKey.と情熱的なGt.の対比も素晴らしい良盤です。

◆MOTORPSYCHO『Yay!』

https://open.spotify.com/album/2HS4pGfomMk9Fo1tJhKnQ7?si=vrdlEahUSMWWbEeTP9M8bA

作風に幅のあるノルウェーのベテランサイケバンド。今作のフォーキーでソフトタッチな空気感が筆者の好みにて。シンフォニックなTr.8が特に刺さりました。

非常に多作でアルバムごとにカラーも違うMOTORPSYCHOですが、オルタナポップ風の『Blissard』(1996)やカンタベリー風の『Phanerothyme』(2001)などはメロディアスで親しみやすくコンパクトなので、入り口としておすすめです。

◆HOMUNCULUS RES『Ecco L'impero Dei Doppi Sensi』

https://open.spotify.com/album/3YwWkoqf4nGCHlnMcPZ0eq?si=Z-HcQWz4RH-UTsgEfFJ3wA

イタリアンなのにカンタベリーなアヴァンポップ。クラシックやフォークまで自然に取り入れた調理が彼らの持ち味です。5thにして相当熟成されています。

◆AVKRVST『The Approbation』

https://open.spotify.com/album/5LZWPBSDx7v6HPO2DdiLPs?si=n3iHQE1nSHODJ4t19fPWyg

ノルウェー産デビュー作。デスボやメタル要素も取り入れたダーク寄りなモダンプログレ。PORCUPINE TREEやOPETHの影響が随所に。クオリティは高いです。

以上7組、国別で見るとノルウェーとイタリアの二強ですね。

しかしその中でも唯一の北米産であるK'MONOが異彩を放っています。本当にアメリカからは何でも出て来ますね。懐の深さがいい意味で恐ろしいです。

そんなわけで次回は基本に立ち戻って「アメリカン・メタル」をテーマにお届けいたします。投稿時期は7月中頃を予定しております。