第三話 初めての体験と遭遇
僕は地面を掴むように倒れ込み、いまだ感じたことのない生命の危機を実感していた。
「はぁ...はぁ...っ!」
いままで感じたことがない焼けるような痛み、脈を打つたびに、左肩付近が爆発しているかのような苦痛が僕を襲う。
まともに呼吸もできず、気管から肺にかけて血液が入り込み、ガラガラと喉から音を立てている。
少しでも楽な体制を取ろうと体の向きを変えたとき、左半身はほとんどが血液の色に染まっていて、雨とともに流れる血液は道路脇の排水口へ吸い込まれていった。
まるで僕の生命を吸い取っているかのように。
「ゔぅ、死ぬ....」
僕はこの場所から動くことができなくなっていた。
このあたりは比較的住宅や建物が少なく、どちらかというと、田園や自然のほうが目立つ地域であった。
誰か気づいて、救急車を呼んでくれればいいのだが、誰かが必ずしも僕を発見するとは限らない。
こんなことになるならスマホ持ってくればよかった...
そしたらまだ...助かったかも....
次第に痛みになれ、意識がなくなりかけていた。
視界がだんだんぼやけ、もうだめかと思った。
そのとき、1メートル向かいにある離れ離れになった僕の腕の断面から青く透けた繊維のようなものがこちらに伸びてきた。
次第にそれは腕を侵食しながら増えていく。
僕は考える余裕など一切なく、抵抗もできなかった。
その青い触手のようなものは、欠損した僕の左肩に触れたとき、僕は完全に意識を失ってしまった。
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