第二話 イナズマが走る
コンビニから走り出し、顔に向かって飛んでくる水滴が、僕の視界に不快感を与える。
もうすっかり服はずぶ濡れになり、半分諦めながら小走りで自宅へ向かっていた。
スマホを持っていかなくてほんとに良かったと考えながら帰路についていると、あたりの建物が少ないエリアを通りかかった。
その時、一瞬小さい光に包まれ雪崩のような音が遅れて僕の耳に届いた。
雷を意識した僕は、さらに脚を素早く動かす。
そのとき、
「うっ」
世界が真っ白な閃光に包まれ、目が焼けるような光が僕を襲った。
...
視界が正常に戻り、一瞬なにが起きたのかわからず周りを見渡す。
濡れたコンクリートに、青い電流がはしっているのを見て、ようやく僕は雷をが落ちたのだと認識した。
音は全くしなかったけど、
「うわぁ、」
身に危険を感じた僕は、過呼吸になっていることに気がつく。
ドッドッドッドッ!
鼓動の音が太鼓のように、リズミカルに体を揺らし始める。
「危ねえ」
心から言葉を発っしため息をつく。
「いっ」
大きく息を吸った瞬間、左の肺から肩にかけて焼けるような痛みに襲われた。
もしかして、雷にあったたのかと疑い始め、痛みのする部位を見ようとしたとき、
「ボトっ」
水分を含んだ粘土の音がする。
僕は、音がした方向へ首を回し凝視した。
そこには、肩の付近から赤黒く濁った液体を流し、ゆっくり、ゆっくりと肘から曲がる僕の腕があった。
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録(無料)
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます