アームストーン
riakis
第一話 ちょっとした不運
PCに映った課題の送信ボタンをクリックすると、体をほぐすように伸ばす。
「これで4月分の課題は終わったな」
僕は通信制高校の課題をこなし、ちょうどそれを提出するところだった。
PCのロード画面を見ながら椅子に深く腰を掛けていると、いきなり画面表示が変わった。
「えっ、」
そこには「ネットワークが切断されました」
という文字が表示される。
「まさか、」
僕は急いでWi-Fiの接続を確認し、もとのページに戻ると、そのページは、僕が記入する前の状態に戻っていた。
僕は体を力ませながら、
「クソっ」
と小声でつぶやいた。
そして、冷めた目をしながら再び課題に取り組み始めた。
...
「これで、よし」
そして、もう一度送信をクリックする。
今回は無事転送ができたようだ。
僕はホッとしながら、椅子から立ち上がり部屋の扉を開けて、リビングへ向かう。
「もう12時かー」
リビングの時計を見ながら、そうつぶやく。
「なんか食べるか、」
僕は冷凍庫を眺め、食べるものを探し始めた。
いつもは、家族が買い置きしている冷凍食品などを食べている。
だが今回は、
「あれ、昨日はあったのに、」
疑問に思いながら、奥の方まで見る。
しかしどこを探しても、僕には関係のない食品しか出てこない。
「、、、コンビニ行くか」
僕は上着を取り、かんたんに身だしなみを整え、玄関へ向った。
扉を開け外に出ると、太陽の光が僕の顔を照らし、記憶以上に眩しく感じた。
僕は思わず、ぎゅっと目をとじ、日光になれるまで目を細めながら歩き始める。
「しばらく外出しなかったから無理もないか」
まだ少し肌寒いが、真冬のどんよりとした雰囲気に比べ、周りの植物や空が明るく見える。
今頃、普通の高校生は入学式やら、クラス発表で盛り上がっているのだろう。
僕は4月をイメージしながら、少し暗い気持ちを優しくいたわった。
...
「ありがとうございました〜」
僕は買った商品をマイバックに詰め、店内から出ようとする。
ザザザザー
音に気づき外を見ると、
「あー」
土砂降りだ。
さっきまで明るかった外の景色が、どんよりと水浸しになっていた。
僕は店内に戻り、
「傘買おうかな、でもな〜」
僕は入り口あたりに置いてある一本390円のビニール傘を見ながら、少し時間を待った。
それでも雨は止みそうになく、さらに風も強くなってきたため僕は
「走って帰るか」
そう心に決めると、小走りで家の方へと走っていった。
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