第5話 とりあえずスキルも欲しいですね

「ガラン、いるかー?」

ガランというらしい中年男性が店の奥から出てきた。

ひげが立派ですね、どうでもいいけど。

「なんだ、マルクスか」

「なんだってなんだよー!」

そんな軽口を叩きあってるけど、信頼してるってのが伝わってくる。

「で、今日はどうしたんだ? …って言おうとしたけど、そこの坊ちゃんの武器が欲しいのか」

「話早くて助かるぜ、さすがー!」

坊ちゃんって…まあ今の見た目じゃそうなんだろうけど…

「戦鎚がいいらしい、なんかいいのはないか?」

戦鎚…!

「へー珍し。君、何て名前だい?」

「俺…?」

急に話振られた

「レイアです」

「レイアか、かっこいいな。」

「でしょ!? おじさんセンスいいね!」

俺と似た好みの人でよかった。デザインとか安心して任せられる!

「ところでレイア、君は魔法剣士の才能があるのに戦鎚でいいのかい?」

「なに!? レイアには魔法剣士の才能があるのか!?」

なんか父さんが割り込んできた。

「おじさん、鑑定スキル持ってるの?」

「ああ! 鑑定スキルってわかるんだ、やっぱ魔法剣士になればいいと思うがなぁ」

「鑑定スキルほしい! どうやってゲットするの?」

んー、なんか念じたらウィンドウ?みたいなの出てきてくんないかなぁ

鑑定スキルを取得する。

―――なにも起こんないよなあ

【鑑定スキル1が取得されました】

ん? 取れちゃった感じ?

「スキルって簡単には取れないんだよ。魔法石から吸収するか、長い呪文をひたすら覚えるかしないと」

「え? 鑑定スキル取れちゃったけど?」

「「え?」」

マルクスとガランの声がきれーに重なった。

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