第2話 引き合わされしものたち
「
「ヒデ、どうかした?」
ドア越しに聞こえる母の声を無視し、緋出は封を開けて中の紙片を読んだ。
「息子ヘ 箱の中身は
緋出は大いに肩透かしを食らった。わざわざ
しかし入れ物の方には何らの
「
今度は
「母さん、今からちょっと出てくる!」
杖と紙片を携えて、緋出は玄関に飛び出した。ディスプレイを使ってタクシーを呼ぶ。しばらくしてやってきたタクシーに乗り込み、天蚕糸神社前に設定する。天蚕糸神社は緋出の住む町の名前、天蚕糸町の由来となった神社で、
「父さんもくだらないゲームを考えるなあ。生物学者のくせに。最後くらい付き合ってやるか……」
緋出の
この地に足を踏み入れるのは何年振りだろうか。竜王山の麓には
両足を大きく開き、正面の
「
目の前の黒石が強烈な閃光を発すると、黒ずくめの男が眼前に現れた。
恐れたりはしない。僕はきっと、彼に会ったことがあるのだから。
「我が名は坂鳥緋出。
◇
嘘を
戦乱を避けて各地を転々としていた私は、宿を訪ねるたびに
「私めは単なる
また嘘だ。
やがて私は死に、
「そなたは
私は今どこにいるのだろう。力尽きた私の見るこの光景は、もしや
光輝一閃。
「我が名は坂鳥―」
奇妙な服を着た男がいた。体格からするに
「私の名は、烏天狗の牛王坊。
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