第4話第一発見者
藤崎美和は、頭に手を当て小刻みに震えだした。
「ち、近くに強い霊気を感じます」
MCが、
「それは、失踪したA子さんですか?」
「ち、違います。40代女性。髪はセミロングで茶髪、黒いTシャツにジーンズ。金色のピアスで、うぅぅっ、女にこ、後頭部を殴れて……こ、小屋が見えます」
「現場の今井さん!近くに小屋があるか探して下さい」
「こちら、現場です。小屋ですか?あっ、向こうに小屋が見えます。今から向かいます」
MCは、藤崎を抱えるように身体を支え、
「野見山教授、どう思われますか?」
「もう、辞めましょうよ。藤崎さん、君にはガッカリしたよ。世の中、霊能力なんて無いんだ!」
「スタジオの藤崎さんがおっしゃった小屋に到着しました。今から、扉を開きます。……真っ暗ですね。照明さん照らして下さい。っっっ!あれは何だ?うわっ、死体だぁぁ~」
スタジオ内に、悲鳴が上がる。
「あ、あの死体はわたしが見つけたんだ。野見山教授、これでも霊能力がないとおっしゃいますか?」
野見山教授は、無言で立ちすくんでいた。
「うわっ、黒井川さん。本物の死体ですよ!藤崎さんはホンモノだ。って言うかまた、殺人事件に遭遇しましたね?」
黒井川は、藤崎をじっと見詰めていた。
「あんな、細かい所まで分かるなら犯人の名前も分かるでしょ?」
「いや、さすがにそれは……」
「よし、仕事だ」
黒井川と戸川はスタジオを離れた。
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