第6話 旅

それから1ヶ月、陽葵の周りでは何も起きなかった。陽葵が学校に通い始めて2か月、もうすぐ定期テストがあるので陽葵たちは図書館で勉強をしている。

「網野、今回のテスト範囲って初めからジョーカーが現れてから40年までのところであってる?」

「あってる。正直今回のテスト範囲で勉強しなきゃいけないところないよな」

唐突な爆弾発言に陽葵は勢いよく顔を上げる。

「網野って無意識でそういうことやってるって本当に性格悪いよね」

「は?」

「まあまあ、網野にとっては簡単なんだよ」

「じゃ、森下はどうなの?」

「俺?俺はまあ今までやったことを全部振り返って、それから参考書を全部解くかな」

「森下は勉強頑張るタイプか」

「さすがに勉強しないのはまずいでしょ」

「でも頑張りすぎじゃない?」

「やるからには頑張りたいからね」

陽葵はあきらめた様子。

「尊敬するわ」

「そんなことよりも2人は長期休みの予定ある?」

「いきなりどうした?」

「いや、今度の休みにみんなでどっかいかない?」

勉強に飽き飽きしていた陽葵は勢いよく食いついている。

「私は行きたい!網野もいこ」

「しょうがないな。ついていくよ」

「よし決まった。じゃあ、空港に16日に来て」

「わかった」

陽葵はとても長い1週間を超えて16日になることを心待ちにしていた。

「森下、明日何か持っていくものとかある?」

「うーん、着替えがあれば大丈夫だと思う」

なんで着替えを持っていくのか陽葵にはいまいちわからなかったがとりあえず面白ければなんでもいいということで陽葵は明日のことを考えると楽しみでその日は寝れなかった。

「おーい、陽葵起きなくていの?」

「凜、今何時?」

陽葵は起きることを拒むように凜に聞く。

「今もう8時だよ」

「え?マジ?」

さっきまでのダルそうな声が嘘のように焦っている陽葵。

「うん、マジ」

「やばいってなんでもっと早く起こしてくれなかったの?」

「起こしてあげただけでも感謝しなさい」

「じゃあ、行ってくるね」

昨日のうちに準備していた荷物を持つと身支度もしないまま家を飛び出してしまった。

「行ってらっしゃい」

陽葵は約束の8時半に空港につけることを祈りながら全力で走る。

神に祈ったからかまったく足止めを食らわないで陽葵は空港に着くことが出来た。

「網野、森下今何時?」

「今は8時29分だ。ぎりぎりだな」

「まあ遅れることも想定して時間組んでるから別に遅れても大丈夫だったけどね」

陽葵は安心している様子だった。

「ちょっと、そういうのは先にいってほしかったな」

「でも先に言ったら本当にぎりぎりに来るでしょ。兼平は」

「そうだけど、寝坊したってこんなに焦る必要なかったのに」

「たまには運動も必要だよ。それよりこれからのことについて説明するね」

「今日はヘリコプターを見に来たわけじゃないの?」

「いや違う、これから俺たちはヘリコプターに乗って、オーストラリアに旅行しに行く」

陽葵は森下の行っていることがよくわかっていないようだ。いつもならすぐに理解する網野もこの時ばかりは状況が呑み込めていないようだ。

「え?オーストラリア?」

「森下、、、言っておくが俺たちはチケットを買ってないぞ」

「それは大丈夫。これからうちのヘリコプターに乗っていくから」

2人は今森下が言ったことが信じられていないようだ。

「え?マジで言ってる?森下の家ってもしかして金持ち?」

「いやいやそんなにだよ。ヘリコプターを3機持ってるぐらい」

「まさか森下がそんな金持ちだったなんて」

「そんなことよりまだ時間があるからヘリコプターでも見に行こうか」

そういうと森下は発着場が見えるカフェに2人を連れて行った。

「森下。オーストラリアに行って何をするんだ?」

「1つは観光をする。そしてもう一つは早期覚醒を研究している施設に行く」

「もしかして俺の話を聞いてオーストラリアに行くことを決めたのか?」

「まあそれもある。ただ俺もオーストラリアにいる友達に会いたくなったからオーストラリアに行くことにした」

「でも、オーストラリアに行くための許可とか大丈夫なの?」

「それは大丈夫。こっちで特別にとっておいたから」

「森下の家すごいね」

「そんなことはないよ。もうこんな時間だ。ヘリコプターに行こう」

森下は2人を連れて関係者用の通路から発着場に向かった。

「兼平、網野あれが今回のヘリコプターだよ」

「すごいな。ヘリコプターの中でも最高のレベルのやつだ」

「さあ、乗って」

森下は機内に案内した。機内にはリビングのようなところがあったり、そこにはテレビなどがあったりともはや生活ができるレベルのもの。

「森下。オーストラリアまではどのくらいかかるの?」

「風にもよるけどだいたい5時間ぐらいかな」

3人はあっという間の5時間を過ごして、オーストラリアに着いた。


あとがき


今回初めて作品を投稿しましたkurarasimonです。なにせ初めて小説を書いているのでどのような終わり方になるのかわかりませんがよろしくお願いします。


この後には自分のお気に入りな展開があるので楽しみにしていてください。


アドバイスがありましたら教えていただけると幸いです。

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