第29話 授業とは?
「起立……礼」
級長の掛け声とともに立ち上がるとみんなが一斉に頭を下げる。そして1秒ほどの静寂。
「はいっ、ってことで早速始めましょうか。皆さん着席してください」
そして、家庭科の担当である内藤
「はいっ、ってことで早速始めましょう……と言いたいところなんですが実は今日私は授業をしません」
「えっ、特別講師とかそう言うことですか?」
クラス1番のお調子者な
「いえ、教育実習生である佐々木
!? 待て待て待て。確かそれって静姉が使ってる偽名のはず……おいっ、まさか。
「は〜い、皆さんよろしくお願いしますね」
……やっぱりか。畜生っ!
「「「うおぉぉぉっっっ」」」
いつもとは違った先生と言うことと静姉が美人であったこともあいまって男子中心に雄叫びが上がる。
「えっと先程ご紹介頂きました佐々木
改めて見るととんでもない演技力だ。少し手を握って気合を入れている所とか本当に教育実習生が緊張しながらも頑張ろうとしているようにしか見えない。
「いやぁ、内藤先生の授業受けるより楽しみだなぁ」
「
静姉のダメな部分も多いと言う言葉(嘘) に反応し再び半田が声を上げるが内藤先生の睨まれていた。こちらはいつも通りのバカ……と。なんか安心するな。
「じゃあ授業を始めます。今日は……子育てについてやっていくんですがその前に皆さんにはある写真を見せようと思います」
子育てについてか……まともだな。まぁ、静姉は一応次の任務の為に教員になる必要があるからな。流石にそこまでヤバいことはしないか。普通にやるだろう。
「はいっ、ってことで皆さんにも小さい時がありましたね?」
静姉が全体に尋ねるようにそう言うとみんなが揃って頷く。
「じゃあみんなには昔を懐かしんでもらおうかな……っし、これでオッケーと。じゃあ電気消してくれるかな?」
「了解です」
先程から話しながらテレビ周りと自分のパソコンをいじっていた静姉が顔を上げ照明のスイッチがある所の近くいる生徒に声をかける。しばらくすると教室は暗くなりその生徒も自分の席へと座る。
「じゃあ映すね〜」
それを確認した静姉は写真という部分をタップする。大方、幼児とかの写真でも出すのだろう。
「は〜い、これが1歳の子供の写真です」
「ぶっ!?」
何故かテレビ一杯に映し出さたのは俺の小さな頃の写真だった。おいっ、この姉自分の弟資料に使いやがったぞ! しかも弟が受けてる授業で。
「わ〜可愛い」「目が純粋だよなぁ」「目がくりっくり」
待って……これなんの拷問? なんだこれ、凄え恥ずかしいんだけど。もう、やめてその写真映さないで精神が保たないからっ。
「これが2歳でーす」
「わー、手裏剣のオモチャ持って自慢げそう。可愛い」「俺にもあったなぁこんな時代」
死ぬっ。これ死ぬって……まだ2歳とかなので今の俺とは似てもつかないから俺だけにしか分かっていないがみんなに知られたら絶叫とかそう言うレベルじゃない。
んっ? なんか翼がこちらを振り返ってパクパクやってるな。なんか気づいたような顔して……嘘だ。そんなわけない。まだ、気づいてないだろ? そんなわけ___。
あっ、確定で気づいてるわこれ。もう、目が全てを物語ってたわ。ヤベェ……消えてぇ。
「はいっ、次は3歳の写真」
「わっ、楽しそうにはしゃいでる」「いいなぁ」
しかし、そんな俺の心情など知ることもなく次々と俺の小さい時の写真が映し出されていく。そしてその度に翼が俺の方を向く。
すいません、これ授業じゃないですね? ただの拷問ですよね?
俺が思わぬかなりの大ダメージをうけ少しでも軽減する為に窓の方へと視線を向けると雨がポツリと降り始めやがて雨音が大きくなっていく。
確か天気予報だと夕方からだったから傘は持ってきているが……なんかこの気分の時に雨が降り始めると気分が更に落ち込んでしまう。今日はトコトンついてない日だ。
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次回「先輩、約束を履行する時が来ましたよっ」
次回から大分話が動くようなそうでもないような……。次回は今日の夜ごろ更新。最近安定しなくてすいません。一応、これで10話ほど作ったのでしばらくは安定していけると思います。
良かったら星や応援お願いします。
では! あっ、あと一応新作。
「隣さんの引きこもりなゲーマー美少女後輩を学校へと連れ出したら変に懐かれてしまい、ゲーム感覚で落とされそうです。」
https://kakuyomu.jp/works/16817330651723409353
この作品のヒロインが努力してほぼ能力的に実生活において最強的な感じとするならこのヒロインは成長型。気が合いそうだったらよろしくお願いします。
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