第28話 可愛い子達ねぇ
「おいっ、翼! どうした!? 静姉さんになにかされたんだ?」
「えっ、あっ」
「なんでお姉ちゃんがなにかした前提なの?」
いや、アンタがなにもしないわけないだろっと言いたいが言った所でゲームオーバー(気絶状態)になるのがオチなので黙っておくことにする。
今はそれより翼の状態の方が不安だ。新井や静姉さんのような疲れる相手ばかりは大変だから気軽に話せる友達は唯一のオアシス。
ここで倒れられたら……俺はっ、俺は多分保たない。
「い、いや、なんでもないかな」
「ほら、翼ちゃんもこう言ってるし」
「いや、明らかになにかあっただろ」
俺の視線から逃げるように顔を逸らした翼を見て俺は確信する。
というか翼も顔真っ赤にして黙りこくってるし……なにかあったなら言ってくれてるのがお前だろっ。
人には言えないことでもされたのか? いや、いくら静姉とは言え限度くらい分かってるだろうし流石にないだろう。。
あとはクラスの奴らが遠巻きに俺たちの方を見ているのは気になるが……恐らくこれは静姉が目を惹くからであり今回の件に関係はないと見ていいだろう。
だとしたら一体なにをされたというのだろうか?
「おい、翼本当に一体なにされ___」
「っ!? ちょっ、近いって!」
「そうか? いつもこんなもんだろ」
俺は翼に小声で話して貰おうかと顔を近づけたが翼に拒否られてしまう。というかさっきから翼の俺に対する反応がおかしい。
顔を真っ赤にしては近づくことを避けている。
そして静姉の性格。これらを加味すると可能性が高いのは……さては俺が一度だけ
考えたくはないが可能性としてはこれが一番高い気がしてきた。
静姉なら俺が地下深くへと封印したあの本も1日で見つけ出すことなど造作もないだろう。恐らく情報を持っている可能性も高い。となれば俺への嫌がらせ(イタズラ)の為に俺の友人である翼に見せたというのは
というか俺の顔を見て翼が気まずそうにしながら顔を真っ赤にしていて、静姉もやたら含みのある笑いでコチラを見ていることからこれでほぼ確定だろう。
……終わった。こんなことになるならちゃんと燃やしておくんだった。いや、静姉の帰還が読めなかったからしょうがないことではあるが……それでもどうにも気まずい。
正直に
いや、どの道買ったことに変わりはないのだ、なんの解決にもなりはしないだろう。
一体、俺はどうすればいいんだぁぁぁぁぁ。
*
い、一体、僕はどうしたらいいんだぁぁぁぁぁ。
僕こと琴吹 翼は今脳内でとてつもなく葛藤をしていた。というのも、
静さんが突然教室に現れ、僕の前で立ち止まるとおもむろにある写真を僕の前へと突き出してきたのだ。
それは……
レア物もレア物っ。というのも
それ故に僕は
これを見た僕が平常心を保てなかったのはしょうがないとしか言えないのだけど次の行動が間違いだった。今にして思えばこの頃すでに僕は静さんの罠にハマっていた。
僕が写真を夢中で覗きこんでいると静さんがまたおもむろに口を開いた。
「寝ている時のキス顔写真もあるけど……見る?」
僕がコンマ1秒で頷いたのは言うまでもないことだろう。頭で考える前に体が自然と動いていたのだ。そして……嵌められた。
僕が静さんから写真を受け取り見ているとパシャリというシャッター音が響いたのだ。
僕が慌てて顔を上げるとそこにはとてもイジワルな笑みを浮かべた静さんがカメラを僕へと向けていた。そして静さんは撮った写真を僕へと見せるようにしてきた。
そこには……キス顔(眠っている)の
そんなことがあり慌てていると
でも、肝心の写真は静さんに押さえられてしまっているのでいつバラされるのか分からない。
もしかしたらバラされないのかもしれないが、バラされるのだとしたら僕が自分自身で言った方がまだマシかもしれない。
だからこそ迷う。
僕はっ、僕は一体どうしたらいいんだぁぁぁぁぁ。
→→→→→→→→→→→→→→→→→→→→
次回「授業とは?」
ちなみに未だにメインヒロイン決まってなかったりします。……どうしよう。
よ、良かったら星の応援お願いします。
では!
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます