第12話 忘れられない感触
そもそも、私に光太郎にぃの体調不良の報せが届いたのは光太郎にぃにも言ったように朝。私がいつもように遅く起きカーテンの隙間から差し込む光に目を細め、ベッドから立ち上がるとあくびを漏らしながらカーテンを開けた。
するとそこには一羽の
そこで私はもう一度カーテンを閉めるとベッドへ横になる目をつむり、しばらくして目を開けるとベッドから起きカーテンを開けた。
するとそこにはあいも変わらず「待ってたよ」顔の
朝、起きてカーテンを開けたら
いや、私もそこまで単純じゃない。こんなに早い段階で決めつけたわけでは____ないわけでもなく、間違いなく静さんだと思いました。
そして
「私の可愛い光太郎が風邪をひいた。よろしく頼む」
と書かれていた。
そしてこれはラッキ____ではなく大変だと思った私は大急ぎで荷物を準備すると、何事だと慌てるお母さんをスルーして家を出た。
そして光太郎にぃを看病し今に至るわけだが……。
「……やりすぎちゃいました」
私は膝に頭をうずめながら今日のことを反省していた。そもそも私は別に今日光太郎にぃにキスをするつもりはなかった。
今日は本当に光太郎にぃの看病が出来ればそれで
……まぁ、手を握るくらいは夢みてたけど。
それでもあそこまでするつもりがなかったのは確かなわけで……。
「あぁっ、本当に私なにしてるんだろうっ!」
私は自分の髪をかき回して火照る体と高鳴る心臓を誤魔化そうとする。
そもそもなんでっ、私キスなんてせがんでるわけっ!? 光太郎にぃの体調考えたら絶対に今じゃないし焦りすぎだ。
しかも、その上最後におでことはいえ本当にき、キスをしてしまうなんて。
「本当になに焦ってるんだろう、私。光太郎にぃに嫌われたらお終いなのに」
私はそう呟いた後でふと我に帰る。いや、なにを焦ってるかなんて明白じゃないか。
光太郎にぃには仲の良い女の子がいるのを知って……それでその子の家に看病とはいえ光太郎にぃが入ったことに焦ったんだ。
聞けば学校では基本的にずっと一緒に行動してるみたいだし。
だからそれで焦って……。
少しでも距離を縮めたくて、妹のようにしか見てくれない光太郎にぃに意識して欲しくて私はキスしちゃったんだ。
光太郎にぃから了承もとらず勝手にしてしまった。怒ってたらどうしよう。
悪いことだったて分かってる、失望されてもおかしくないって……それでも。
「忘れられないよぅ」
私は消え入るようなか細い声で熱くなる顔を膝にうずめたまま呟く。私の口は今光太郎にぃにキスした時の感触で溢れておりそれが消えることはない。
あぁ、思い出すだけで熱くなる。
おでことは言えずっと好きだった相手にキスをしたのだ。今の私はどうにかなってしまいそうなくらい興奮と幸福が入り乱れており正常ではない。
焦ったような慌てたような光太郎にぃのあの時の表情、それに匂いとあの時の光景はいとも簡単に蘇ってくる。
「私も……熱出しちゃいそうですよ」
私は少し恨めしげに天井を見上げてそう言うと熱くなりすぎた体を冷ますべくお風呂へと向かうのだった。
*
「はっ、光太郎がキスをされた気配を感じる」
「一体なに言ってんだこの
「ジョ、ジョニー!!! お、おのれ許さないぞおま____ゴボッ」
あるビルの中1人の女がなにか変なことを呟きながら銃を持ち自分を捕らえようとする男達をいとも簡単に仕留めていく。
暗闇の中、気配を消し突然現れる女に対し男達はなにも出来ず地に伏していく。
「
男達を雇っている金髪の少し太った男は必死に叫ぶがその言葉は虚しく次々とやられていく男達の悲鳴に紛れて消えていく。
「じゃあな、社長さん」
「くっそ」
そして最後の1人となった金髪の男もまた
そして狩りを終えた
「お姉ちゃん、心配だなぁ。早く会いたいよ光太郎」
そしてそう呟くと写真をポケットへとしまいまた、次なる獲物を求めて闇夜を駆けていくのだった。
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次回「先輩、新井さんとキスでもしたみたいな顔してどうしたんすか?」
あと良かったら同時連載中のこちらもお願いします。大分こちらとは作風が異なりますが……。
「クズでカスでどうしようもない俺の周りにばかり何故か美少女達が近寄って来る」
https://kakuyomu.jp/works/16817330650794047868
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