第6話     ゴブリンキング

あれから一か月後、ソラとユキはさらに森の奥に来ていた。


「ライトニング」


「プギギギーー」


「ウィンドソード____ハッ!!」


ユキが相手を麻痺らせて、ソラが相手が麻痺して動けないうちに攻撃をする。二人の連携は、より磨きがかかっていた。


ソラの剣は、的確にオークの首を捉え、首をそぎ落とす。


「いい感じね、”ソラ”」


「ああ、オーク相手でも楽勝になってきたな、””ユキ”


「油断は禁物よ、そこがあなたの悪い癖だわ」


「グぐ…はい」


この一か月で、二人の仲はお互いを名前で呼び合うほどまでに至り、互いの才能が互いを刺激しあい、一か月前よりも驚くほどに成長していた。


普通、この世界のオークとは魔物のランクでは低級に数えられる。


魔物のランクには、下から


低級→中級→上級→王級→災害級→厄災級があり、オークは中級の中でも腕力の高さと皮膚の硬さで低級の中では上位に位置する。しかし、たぐいまれなる才能の前には無力に等しかった。


「お、おい、あれ見てみろよ」


「あっアレは!!」


「ゴブリンキング…!!」


ソラ達の目の前には、ゴブリンの集落が形成されており、その長と思しきゴブリンキングが確認された」


ゴブリンキングは中級に位置し、普通のゴブリンと比べ高い知能を持ち、集団で人間の集落を襲撃するため、見つけ次第、即刻討伐か、騎士団か冒険者組合に連絡するのが鉄則である



ま、まずい。今すぐ身を隠さなければ。



二人の心は一瞬にして一致したが、時すでにおそし。



「ググギャギャギャーーーーーーーーーーーー!!!!!!!」



「「ッッ!!!!!」」


ゴブリンキングがソラとユキに気づき、大声を出したことで他のすべてのゴブリンも気づき、一斉に襲いかかってくる。総勢にして300近くはいるだろう。


「くっユキ!!」


「わかってる!!サンダーストーム!!」


ユキが使える最大の範囲攻撃魔法でゴブリンたちを蹂躙していく。だがそれでも殺ったのは50ぐらい、まだ250ぐらいが残っており、ソラ達に向かって襲い掛かろうと走ってくる


ただでさえ2対300で不利なのに、それを倒しても待っているのはおそらく格上の中級ゴブリンキング。今は何も行動はせずに静観しているが、おそらく逃げようとすればすぐさま動き出し、俺たち二人を嬲り殺すだろう。


まさに絶体絶命。



「サンダーボール×5」


「ウィンドカッター×3」



「ギャギャグギ」


「グギャギャギャ」


「ググググギャギ」


やばい、数が多すぎる。このままじゃこっちが先にお陀仏だ。

ユキは……まだ魔力には余裕がありそうだな。ほんと、大した女だよあいつは。



「来いよゴブリンども!!全部叩き斬ってやる!!」















______________________________________


あれからどれぐらいが経っただろうか、数時間が経過したごろ、数の多さには苦戦したものの、ゴブリンの数はだいぶ減り、最初に比べて全体の一割以下にまで減らすことができていた。


「グギャギャーーー!!!!!」


やっと動いたか


ついにゴブリンキングが動き出す。


だが、ソラもユキも大量のゴブリンとの戦いで疲弊しており、ところどころの傷が目立つ。依然、不利には変わりない。


「ユキ、お前は残りのゴブリンを頼む。俺はキングを討つ」


「あなた一人に任せれるわけないでしょう!!」


「勝算あるんだ頼む」


「……はぁ、わかったわ。でも、__



「___ああ、わかってるさ」



言われなくても伝わっているさ。だてにこの一か月お前とパーティー組んでいないさ



勝ってね



その一言を引き金に、ソラは走り出す。



相手は5メートルは優に超える巨体、たいしてこちらは人間の子供。勝負をするどころの話じゃない。



圧倒的格上。



だが、それは今までのソラならの話である。



「もう、出し惜しみはしない」



「グギャーーー!!!!!」



覚悟しろゴブリンキング。ここから先、お前は



「俺に攻撃することすらできず終わるぞ」



ふと、ユキのほうを見てみると、もうすでに終わっていた。



自分の残りの魔力残量は少ない。ちまちまして相手の体力を削っていくような持久戦は確実に負ける。ならば、どうするか?



決まっている!!


ソラはブリンキングの目の前で飛び上がり、



「身体強化!!×加重×10!!」



身体強化で自分の右腕を限界まで強化して、持っている剣に加重をかける



圧倒的質量で押し潰す!!!!!!!



直後、




ドドドガガガ――――――ン



すさまじい音とともに土煙が巻き上がる




「ソラァーー!!!!!」



数秒たち、ユキの瞳には、



「か……かっ……た……ぞ」



ボロボロながらも格上の強者に勝利を収めたソラが立っていた







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