第2話     新種属性その名は

俺はこの日、前世の知識を利用して発見した新種の属性の魔法の実験を行うために、村の近くにある、人の寄り付かない森の中に来ていた 


なぜ、この森に誰も近つかないのかというと、森の中には人類に仇名す存在”魔物”が存在しているからである。といっても、いるのはゴブリンやコボルトなどの低級しかいないため、危険度は小さいが、ソラみたいな子供にとっては、脅威たりえる存在である。このことは一般常識として知られている


「グギャ」


「お、ゴブリン一匹発見っと」


ではなぜ、ソラはゴブリンを恐れないのか?


「__加重__」


「ッッギャググ」

 

それはひとえに、ソラが強いからである


ソラは生まれてこの方、周りに神童と持てはやされてきた。幼いころから自我を確立していたソラは、両親が魔法を使っている姿を目にし、感動を覚えた。


『 自分も魔法を使うことができる 』と、


だが、結果として世の中はそこまで甘くなかった、魔法には適正というものがあり、それがなければ、魔法を使うことができないことが発覚した。


だがそれで諦めるはずもなく、前世の知識としてラノベというものを参考にしたソラは、体の中にある魔力というものを感知する修行を行い、見事に魔力の感知に成功し、誰でも使えることのできる無属性魔法を使うことで、体内の魔力を消費し、魔力を溜める器を大きくすることで、子供とは思えない魔力量を手に入れた 


無属性魔法には三種類あり、魔力を身に纏うことで肉体を強化する《 身体強化 》

 

魔力を放出することで魔力の盾を作る《 バリア 》


身体の傷をたちまちに癒す《 ヒール 》などがある。

だが、こと《 ヒール 》においては、使える人間が限られており、ソラは使えなかった。


この魔法を幼いころから、両親が教える前に使え、なおかつ子供とは思えない練度で使えたことが、ソラが神童と持てはやされる由縁。もとい、魔物と戦おうとする自信の根拠であった

 

「うん、やっぱり強いね ”重力魔法” 」

 

重力魔法。それはソラが前世の記憶の中に存在した重力という存在を知っているからこそ、実現できた魔法である。なぜ物は落下するのか。なぜ人は飛べないのか。なぜリンゴは地面に落ちるのか、人々は疑問に思はない。それが当たり前であり、それこそが普通だと信じて疑はない。いや、もしかしたら疑ってるかもしれないが、原理はわからないだろう


だがソラは違う、ソラは何より重力といいうものを科学という前世の知識により深く理解しており、加えてラノベという書物に存在する類似した重力魔法の存在により、独自に重力魔法に昇華させてみせた


今行った”加重”という魔法は、相手に通常の何倍もの重力を与えることで、相手にとてつもない負荷を与え、圧死潰す魔法である。


簡単に言うと、俗にいう《 おい、図が高いぞ 》ドドドドーーーーンドドドーーーーーン、の再現ができるというイメージで相違ない


「ガルルーー」


「コボルトか。なら”身体強化×減重”______フッ!!」


「グギャャ」


加重が重さを与えるなら、減重は逆に重さを減らす魔法。それを自身にかけ、尚且つ身体強化を行うことで普通に身体強化をするよりも驚異的なスピードで動くことができる


「ハッ‼」


「グ…ガ…」


ソラはコボルトの後ろに回り、胸を剣で貫いた


「よし、こっちも問題なく使えるな」


ここら辺の魔物は弱すぎて、なんだかつまらないな

ソラは最近、そう感じ始めていた。


「魔物の血を浴びちゃったし、このまま帰ると怒られるな」


ソラは先のゴブリンとコボルトの返り血により、魔物特有の紫色の血で体が染まっていた


「よし、じゃあいつも通り”あそこ”にいくか」

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