第31話 夏休みは何する?

「お疲れさま会、楽しかったね!」


俺と未来、悠介と桜田さんと一緒に、未来の家でお疲れさま会をした。

みんなでコンビニでお菓子と飲み物を買って来て、おしゃべりしながら夜で過ごした。


「うん。すげえ楽しかった」


悠介と桜田さんは帰った。

帰ろうしない俺を見て、2人に「お泊まりかー?」とからわられたけど、「片付けを手伝いから」と言っておいた。

まあ……2人の予想通り、お泊まりなんだけど。


「愛花もお手伝いするー!」


愛花ちゃんが片付けを手伝ってくれる。

ゴミを捨てたり、お皿を片付けてくれたり。


「パパ!褒めて褒めて!」


ぎゅうと俺の足に抱きつく。


「ありがとう。いい子いい子」


俺は愛花ちゃんの頭を撫でた。


「うー!もっと褒めて褒めて!」


うーん……これ以上どうやって褒めようかな?


「愛花ちゃんはかわいい!とってもいい子だよ!」

「うー!ご褒美は?」

「ご褒美かー」

「ちゅーして!」


愛花ちゃんは口をすぼめて、目をつぶる。

これは……してもいいのかな?


「こら!パパが困ってるでしょ!」


未来が愛花ちゃんを叱る。


「お手伝いのご褒美に、パパがちゅーしてくれるって約束したもん!」


おいおい。そんな約束してないが。


「嘘つくんじゃないの!」

「嘘じゃないもん!パパ!ちゅーして!」

「……愛花ちゃん。お手伝いして偉いね」


俺は愛花ちゃんのほっぺに軽くキスした。


「パパ!また愛花を甘やかして!」

「あはは!パパ大好きー!」


愛花ちゃんが俺の胸に抱きつく。


「いいだろー?ママ!」

「……パパ。ママにもご褒美ちょうだい」

「え?」

「あたし……期末テスト頑張ったよ。また学年1位だったし、家のこともちゃんとやったし」

「偉いね。未来は頑張り屋さんだ」

「ご褒美もちょうだい」


未来は目を閉じた。

これは……キスを待っている時の顔。


俺は未来の肩をつかんで、キスをした。

未来の柔らかい唇と、俺の唇が重なる。


「ううっ……ん」


まるでこの時をずっと待っていたかのように、俺たちは長くキスをしていた。


「やったー!これでコウノトリさんが来てくれるね!」


愛花ちゃんが手を叩いて喜んだ。


◇◇◇


片付けが終わって、3人でゆっくりお茶を飲んでいた。


「夏休みは何しよっか?」


俺は愛花ちゃんに尋ねた。


「トロピカンランド行きたい!」 

「愛花はトロピカンランド大好きだんね」


未来が呆れた顔で笑う。


トロピカンランドは、大きな観覧車のある遊園地だ。

電車で1時間くらいで行ける。


「いいね。行こうか!」

「パパとママと一緒にトロピカンランド!嬉しい!」


トロピカンランドか……

何年ぶりだろう。

死んだ母さんと一緒に、一度だけ行ったけな。


「じゃあ、いろいろ準備しなくちゃね!」


未来も乗り気で、はしゃいでいた。



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