第21話 期末テストの勉強part2

「ママずるい!あたしもパパとえっちなことしたい!」


愛花ちゃんは俺の背中に抱きついた。


「え、えっちなことなんてしてないって……」


俺はめちゃくちゃ焦った。

愛花ちゃんの言うとおり、そういう雰囲気になりかけていたから……

もし愛花ちゃんが来なかったら、あのまま……未来の胸を……

ピンク色のブラジャーから、はみ出しそうなくらい大きなおっぱいだった。

思い出すと、股間が痛くなってくるぜ……


「こら!愛花は入ってきちゃダメって言ったでしょ!」

「パパを独り占めする気だ!」

「今日は、パパはママだけのものなの!」

「ずるい!ずるい!愛花もパパと一緒にお勉強するんだあ!」

「ダメ!」


激しく喧嘩する未来と愛花ちゃん。

このままじゃ、勉強どころじゃないな。


「愛花ちゃん、ひとつお約束できる?」

「なぁに、パパ?」

「いい子に静かにしていたら、ここにいてもいいよ」

「うん!静かにしてるね!パパ大好き♡」

「約束だよ」

「……スキあり!」


愛花ちゃんは俺にキスをした。


「おわ!」


突然のキスに、俺は驚いてしまった。


「えへへ。こういうの、ふぁーすときすって言うんでしょ?あたしのはじめてはパパだよ!」

「あはは……でも、パパとのキスは、ノーカウントにしてくれ」

「のーかうんと?」

「初めては、本当に好きな人とする時まで取っておいて」

「パパが本当に好きな人だもん!」


愛花ちゃんは頬をぷくっと膨らませて怒る。


「愛花……いい加減にしなさい。静かにしてないと、お尻ペンペンするよ」


未来が手を振って、お尻を叩く真似をした。


「やだあ!ごめんなさい……ママ」


ばっと、愛花ちゃんは両手でお尻を抑えた。


「よろしい。いい子でいなさいね」


元気いっぱいでマセた愛花ちゃんだけど、お尻ペンペンは怖いらしい。


「さ、パパ。お勉強しよ」


◇◇◇


愛花ちゃんが入ってきて中断してしまったが、俺と未来は勉強を再開した。

今度は数学をやっていた。

期末テストの数学は試験範囲が広い。

気合を入れて勉強しないと。


「ねえねえ、パパ。ここ教えて?」


未来は教科書の問題を指さした。


「えーと……これは二次関数で、公式を使って」

「わかんないよお!あたし数学苦手だから、もっと優しく教えて」


ずいっと、未来は距離を詰めてくる。

未来は成績優秀だ。

いつもテストでは学年1位になっている。

俺のほうが教わりたいくらいだ。


「わかんない!わかんないよお!パパぁ、早く教えて!」


しっかり者の未来が、まるで愛花ちゃんみたいに駄々をこねる。

今日は何か変だな……?


「これは、けっこう難しいな……」

「ふ、油断したな。スキあ――」

「パパ!ママがちゅーしようとしてる!」

「おわ!」


愛花ちゃんが俺と未来の間に入ってきた。


「ふう……危なかった。もうちょっとで、ママにちゃーされるとこだったよ」

「……愛花。お約束、破ったね。お尻ペンペンよ!」

「やだあ!」


愛花ちゃんは逃げ出した。


「待ちなさい!」


未来が愛花ちゃんを追いかける。


……もう今日は勉強できそうにないな。

俺は期末テストの成績は諦めることにした。


















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