第20話 期末テストの勉強part1

「パパ!あそぼー!」


未来の家に着くと、愛花ちゃんが走ってきた。


「ダメ!パパとママはお勉強するって言ったでしょ?」


メっと、未来が愛花ちゃんを叱る。


「ちょっとだけ!」

「いけません」

「ママのいじわる!」


愛花ちゃんは俺の手を掴んだ。


「ねえ、パパ……少しだけ遊ぼう?」


上目遣いで、かわいく俺におねだりしてくる。

ヤバイ……心が揺らいでしまう。


「パパぁ……お願い」

「そうだな……少しぐらいなら、いいかな」

「もお!パパ!愛花を甘やかさないで!」

「ママのバカ!あともう少しでパパを堕せたのに!」


おいおい。

これじゃあ、本当に娘に甘いパパみたいじゃないか。


◇◇◇


俺と未来は、未来の部屋で勉強することにした。

なんだかんだで、未来の部屋に入るのは初めてだ。

水玉模様のベッドに、イルカの大きな抱き枕がある。女の子のかわいい部屋。

すげえ未来の匂いがするぜ……


「……ケータ。あたしの部屋、臭い?」

「え?」

「くんくんってしてるから」

「あ、ごめん……くしゃみを我慢していただけだから。ははは」

「変なケータ……」


ふう……なんとか誤魔化せた。

未来のいい匂いを堪能していたなんて、絶対に言えない。

マジで変態だ。

今日はいろいろ気をつけないとな……


俺たちは勉強を始めた。

まずは、英語からやることにした。

期末テストまで、あと1週間だ。

集中しないと。


「ねえ、ケータここ、教えて」

「どれ?」


俺は未来に近づいて、ノートを覗き込んだ。


「ここ……」

「これは関係代名詞で……whoを使って……」


ふうーと、未来の吐息が顔にかかった。

未来から花の匂いがする……これは?


「気づいた?ジャスミンの香りをつけたの」

「そっか……すげえいい匂いするよ」


たしかに爽やかで甘い匂いなんだけど、俺は未来自身の匂いが好きだ……

ヤバイな。自分でも引くくらいキモイぜ……俺。


「ここもわかんない!ケータ、教えて!」

「おう……どこだ?」

「ここ!」


未来はプリントの問題を指さした。

英語の文法問題だ。


「えーと……これは不定詞で……」

「聞こえない!もっと近くで教えて」

「え?そうか?」


もうがっつり隣にいるはずだ。

絶対に聞こえているのに。


「もお!ケータが来てくれないなら……」


未来はぴったりと俺にくっついた。

汗ばんだ未来の体温が伝わってきた。

制服のブラウスのボタンが、なぜか2つも空いている。

ここからだと、胸がチラリと見える。


「ケータ……どこ見てるの?」

「あ、いや、その……」


俺は焦って、視線を逸らした。


「もしかして……ここ?」


未来はイタズラぽっく笑いながら、胸を指さした。


「あー!パパとママがえっちなことしてるー!ずるい!」


突然、愛花ちゃんがドアを開けて入ってきた。















  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る