第11話

「野菊、頼む金貸してくれ」

スタバで仁一朗が突然、野菊に

向かって土下座した。

「ちょっ、ちょっと、やめなさいよ、

かっこ悪い」

野菊が恥ずかしそうに顔を赤らめた。

「大丈夫よ。ここの支払いはわたしが」

「そうじゃないんだ」

「じゃあ、なによ」

「夏帆さんと結婚するための金なんだ。

調子がいいってことはよくわかってる。

でも、こんなこと頼めるのはオマエしか

いない」

「バカにしないでよ」

野菊がコップの水を仁一朗の顔に

放り投げた。

「ウッ、つめてぇ」

「しばらく、反省なさい」

「おっ、オレは一体どうしたら」

「しらないわよ」

野菊が走り去った。



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