第3話

「今度、友達の友達の友達の友達の友達をふたりに紹介するわ」

野菊が友達を連呼した。

「それは、あれだな、友達でも何でもなくて

赤の他人だな」

波太郎がもっともなことをいった。

「いらねえよ。どうせとんでもねぇ、キザ野郎か

野菊超えの超ウルトラブスだろう。会わねぇよ。そんなもん」

仁一朗が面倒臭そうに手を振った。

「会いなよ。ビックリするよ。年はわたしたちより少し

若いんだけどさ、とんでもなく可愛いのよ。まるで

お姫様みたいに」

野菊がウットリとして夢見る少女のような瞳になった。

「波太郎、オマエ人間の女に興味ないんだもんな」

「ああ」

「じゃあ、何に興味あるんだ」

「鷺沼霊歌(さぎぬまれいか)」

「何だそりゃあ」

思わず仁一朗が聴き返した。

「宇宙警察フラントレーバーの主人公。人間の女なんか

みんな問題外だぜ」

「アニメ、ね」

野菊がゲンナリしたような顔になった。

  • Twitterで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る