第2話

「まあ、この問題の解決方法、すべては野菊次第だな」

波太郎が横やりを入れた。

「なんで」

野菊が目を吊り上げる。

「野菊が仁一朗と結婚して、仁一朗のケツを

引っぱたきゃあ、それですむことじゃねぇか」

「じょ、冗談いわないでよ」

野菊が恐ろしくムキになった。

「誰がこんなプータローと」

「こっちで願い下げだよ」

仁一朗が煎餅を二枚重ねで齧りながらブー垂れた。

「誰がこんな世界一の、宇宙一のブスと結婚なんか

するか。考えてもみろよ。生まれてくる子供のことを。

学校でイジメにでもあって首でも吊ったらどうするんだよ」

「ワーッ」

野菊が大声で泣き始めた。

「仁一朗、今のはオマエがいけないぞ」

「なんで」

「野菊にも健気に生きていく権利があるんだ」

「だから」

「なのに首を吊らせちゃあ」

「なんでワシが首を吊らにゃあならんのじゃい」

野菊が仁一朗と波太郎にドロップキックをお見舞いした。

「あっ、聴いてた」

仁一朗と波太郎が顔を並べて野菊に向かって

愛想笑いした。

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