第10話 勇者パーティーの霊装

突如、魔王軍最強にして切り札の召喚獣

カオス・ヒュドラゴンを連れてやって来た少女は魔王の娘らしい。


「貴様を討ち、父上の仇をとり魔王軍再興を果たす。それが妾の、ルナ・ヘルガリオスの今の使命じゃ!やれ、カオス・ヒュドラゴン!」

彼女、ルナがそう命令すると九つの首のうち八つの首が一斉にこちらに向けてブレスを放って来た。


「属性魔法よ!避けて!」

俺たちが一斉にその場から離脱した瞬間、八つの首から燃え盛る灼熱の炎が、全てを押し流す激流が、大小様々な岩石が、風の刃を纏った竜巻が、雷鳴を轟かせる紫電の轟雷が、あらゆる物を凍てつかせる極寒の吹雪が、輝く閃光のようなレーザーが、恐ろしい怨霊の姿をした黒霧が、さっきまで俺たちがいた場所をえぐり飛ばした。


(不味いな、こんなのが街中に出て行ったら大惨事どころじゃないな、だからこそ、俺達がここで倒さないとな。)


「みんな、こいつを街中に放つわけにいかない。短期決戦だ、力を貸してくれるか?」

俺がみんなに問いかけると

「無論だ、勇者殿」

「当然、助ける」

「そこは普通に助けてって言えば良いのよ」

「ともに魔王を倒したのですから当然です」


みんなそれぞれ言い方は違うが力を貸すといってくれた。


「ありがとうみんな、じゃあ、速攻で終わらせるぞ!」

(スキル 霊装が発動しました)

「降臨せよ!神竜の剣(バハムート)!」

「轟け!雷速の剣(タケミカヅチ)!」

「凍つかせよ!氷王の杖(パーマフロスト)!」

「芽吹け!世界樹の杖(ユグドラシル)!」

「祝福を!聖神の錫杖(ベネレス)!」


勇者パーティ全員の霊装が顕現した。

アルトからは白金に輝く長剣が

カルナからは電撃が迸る刀が

イーナからは水晶のような氷の杖が

リーファからは世界樹から作られた杖が

エリーゼからは聖なる光を放つ錫杖が

現れた。

これが勇者パーティの霊装だ。

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る