遅刻しそう

第1話

女1「タクシー来ないね」

女2「そうだね。電話も繋がらないし、このままじゃ試験に遅刻しちゃう」

女1「わかった。ヒッチハイクで試験会場に行こう」

女2「えー、ヒッチハイク！？」

女1「仕方ないじゃん。遅刻したらヤバいんだし。……すみませーん。止まってくださーい」

女2「どうするの？　誰も止まってくれないけど」

女1「よしっ。かくなる上は……瑞希ちゃん、ちょっと路上に倒れてくれない？」

女2「え？　なんで？」

女1「救急車呼んで、救急車で試験会場まで行こうかなぁと思って」

女2「確かに試験会場の近くに病院はあるけどさ、そしたら、私が試験会場に行けないじゃん」

女1「大丈夫。病院着いたら、痛くなくなりましたって言えばわかってくれるよ。だからお願い。ねぇ、いいでしょ？」

女2「……あ、タクシー来たよ」

女1「いいよ、タクシーなんて。だって、救急車なら全部の車が道を譲ってくれるから、最速で目的地まで着けるんだよ。救急車で行こうよ〜」