第5話 ゴミ屋敷から拝借(元はゴミだし盗みではないと思いたい)

その日決めたこと、はちょっと前に鑑定魔道具《バリューマジックアイテム》 (以下、虫眼鏡)を拾った家古びた二階建ての家の前で立ち止まった。

俺の心臓はドキドキと高鳴り、恐怖と罪悪感に襲われていた


前世の記憶がごちゃごちゃだけど

正直、不法侵入するのは初めてじゃない

記憶の中にある前世は田舎で、近場の廃屋をいくつか入ったことがある

どれも記憶の中にある廃屋には、廃屋には

ワクワクとドキドキが混ざった冒険感があった

怖いのは虫と怪我だけど


…あと無いけど呪われるとかそんな意味でも怖かった、何でだかはわすれたけど、そんなのが沢山見てた気がする、あと連動して金縛りにあった記憶も思い出した

何で金縛りにあったのか覚えてないけど

寝ぼけて金縛りがおきたと思っておこう…(寝惚けでなるって前世で解明されたって言ってたし)


「ここに何かあるはずだ…」

俺は自分に言い聞かせるように呟いた


ゴミを踏み抜いて、とある部屋の中に足を踏み入れ…にくかった

扉は開けっ放しだが、廊下もだがゴミだらけで広い所が出たと分かれば、部屋と認識するくらいのゴミの山だった


家の中は全体的に薄暗く、埃っぽい空気が漂っていた

どこか生活感が残っていたが、やはりゴミばかりで息がしづらく埃臭い

不幸中の幸いは、生ゴミの匂いが一切しない事だ

食べたら虫が湧くのは分かっているのだろう、生ゴミや食べ残しの器の類はここまで一切見当たらない


ゴミ袋の類というより、散乱としてると言った方が正しい

酒瓶なんかも、綺麗に水洗いしてから至る所の箇所に集めて置いてあるから、生きる意味を失ったヒトがいるのだろう。

前世でもそんなヒトが居たとよく聞いたから

どの世界でも生きにくいヒトは生きにくいのだろう。


俺は慎重に足を進め、部屋を一つ一つ調べていった。


いくつかの部屋を物色していて

今現在使えそうなものリスト


衣服類

冬服〜夏服が幾つか

寝巻きに良さげなやつも

子供用の服も見つかったけど、何となく気が引けた

子供の服は、とりわけ綺麗に収納されていたからだ


放り投げられていた、使用感はあるものの、虫食いをしていない大人用の福を幾つか拝借


お金

漁っていたら金貨、銀貨、銅貨が見つかった

お金は欲しいから申し訳半分(建前)で

(遠慮なく)貰っておく

まだまだ見つかりそうなので、帰ったらあとで数えることにする


短剣

危ない

タンスの中に入ってた

悪いと思うけど身を守るためなので拝借


薪ストーブ(小形)

子供からしたら少し大きい調理可能なストーブ

どう見たって新品

ゴミの山に埋もれてたから要らないと思っておこう


陶器の鍋

同じくどう見たって新品

多分気づかないし良いよね

そこそこでかい、ストーブに乗せられることは可能な大きさ、茶色くて綺麗



意外と使えるのが多かったのがおどろいた

という感じの結果


まだまだ出そうだけど


そして1つの部屋の窓側に、古びた箱を見つけた

古びた箱…装飾が施されてる

意外とちゃんとしたものだったんだろう


古い割には雑な置き方だし、張り紙がしてあった

『不良品』


躊躇無く開ける

中には、鞄が入ってた

見た目はそこそこの大きさ

パッと見、穴は空いてないみたいだし

不良品てことは無いだろうけど

持っていくことにする


ついでに他にも鞄を見つけたので拝借

汚れが意外と目立たないものだった


鞄は2つになった


これ以上は持ちにくいから

最後に見つかった鞄にいれてみる

開けてみたら暗黒になっていた


(マジックバッグ…だ……)


近くにあった酒瓶をいれて、取り出してみる

ちゃんとしたマジックバックだった


安心して、今回の戦利品を押し込む


今日はもうここまでだ


帰るにも一苦労だったが、戦利品があるのと無いとじゃ違う


これが今後、俺の生活の役に立てるかは分からないが使えると思いながら帰ることにした。


✿**✿

帰る頃には、もう夕方だった

ゴミ屋敷のお宝さがしは、集中してたみたいだ


戻った俺は住処で、不良品の鞄を開けてみた

ほかの戦利品も見たかったけど、不良品の鞄

開けたら自分の体が持っていかれるのか

ただの鞄になってるのか……


安全性を確かめるためにも

開けて見なきゃならない


開けてみると袋の中には水が広がっていた


その時の俺は驚きのあまり、しばらく言葉を失っただろう


そもそも水と認識するのに時間もかかった

昼間の太陽光があたる水の中

水の中から潮の香りがする

ゴポゴポ、ちゃぷちゃぷと水の音が


前世の記憶と合わさり


『海』


と認識した



俺は袋の中に手を入れ、手に着いた水を舐めた

しょっぱい


「すごい…本当に海だ、海水だ!!」


塩辛い水が体を刺激した

俺は届きそうな位置にあった貝を取り出した。


大ぶりの貝

慌ててをとって

食べれるか確認する


ホンビノス貝

食用


(…普通に前世と同じ名前の貝がでてきた

いや、食べれるってことか?!


……捕まえられるかな…貝なら…いけるかな?)


…虫眼鏡でとった獲物片っ端から見ていけばいいか


どうしようか、薪がないから燃えるものがない

つまり飯が食えない


はーさっそくつんだ…またかよ……


でも、着実に使えるものが増えてきた

よかった


あ…そうだ

金額数えようかな


えーっと……うん、分からない

でかいのが、45枚

その次が、10枚

その次が、26枚

その次が、15枚

その次が、8枚

その次も、8枚


……とりあえず、屋台のおっちゃんを避けて、ほかの屋台でご飯食べてみようかな

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転生したら俺は生きることに全力を尽くしたい シュラハト @nRu562En

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