第22話 聖女様はわからせる③


「あのぉ〜、御園さん…」



「どうしたんですか?」



「何で私またここに呼ばれたんでしょう……」



 そう落ち着かない様子で戸惑いを見せるのは小林さん。

 放課後この場所に来ると続いて小林さんもやって来たのだ。

 また呼んだのか……。



「由良くん、今日からキスも追加します」


「……はい?」



「由良くんはキスフレンドって知ってますか?」



「そのままの意味か?」



「はい。恋人ではないけどお互いの欲求を満たすためにキスをする関係です」



「……それで?」



「由良くんは私とキスしたいですか?したくないですか?」


「したい…ですよね……?」



 したく無いわけがないんだけど、なんて答えれば…。

 でもキスか……。

 キスなら妊娠はしないんだからいいのでは?



「っ…!嬉しいです…」



 顔にしたいと出てしまったのだろう。

 嬉しそうに御園は顔を赤らめる。




「あのぉ……2人は身体の関係じゃなかったの?」



 セフレなのにキスフレンド?と疑問に思ったのだろう。

 小林さんはおずおずと聞いてきた。



「ああ……元、セフレなんだよ。今はそうじゃない」



「そ、そうなんだ?……えっと…なんでセフレ辞めちゃったの?」



 小林さんがそんなことを言ったもんだから、御園の雰囲気がおかしくなっていく……。



 自分がゴムに穴を開けたせいだなんて言えないわな……。








 side小林朱莉



 私は今何を見せられてるんだろう……

 御園さんが由良くんにキスしてる…。めっちゃしてる……。



 最初はなんでまた呼ばれたのか分からなかったけど、これを見せるつもりだったんだ…。


 私がなんでセフレ辞めちゃったの?なんて思ったことそのまま口にしちゃって……。

 そのあと見せつける様に由良くんに抱きついてキスし出した。



 へぇぇ…。他人がキスしてるところって結構えっちかも。

 由良くんに振られて彼氏なんて居ない私はキスシーンなんて非日常だから新鮮に映る。



 そう思っているとなんだか御園さんが喘ぎ声というかえっちな声出し始めて……。



 えっ?ちょっとまって……?



 すっすごっ…。めっちゃ大人のキスしてるっ…!



 じゅるじゅるって何かえっちな音も出てるしっ…。



 というかこれ…エッチする時にするキスなんじゃ…?



 御園さんの顔、すごくとろんってしてるし……。



 そんな濃厚なキスを2人は延々としていた。





 なんで私こんなの見せられてるんだろう。

 だけど、もっと見たいかもという思いが生まれる。



 多分御園さんは私が由良くんに告白とかして嫉妬してるんだろう。



 ムキになって、御園さんも由良くんのこと好きなんだ…。



 これって…もっと嫉妬させたらもっとエッチなの見せてくれるんじゃ……。



 私はまだ由良くんへの好きって感情は浅かったからいいけど本当なら傷つくところ。



 だから私も御園さんに意地悪してもいいよね……?

 そんな考えが頭をよぎってしまった……。







 ぷはぁ♡


「今日はこれくらいで勘弁してあげます♡」



 そう言って女の顔をした御園はキスを止めてくれた……。



 離れた俺と御園の唇には糸が引いている。



 長い…長すぎる……。


 これを毎日するのか?無理だろ……?



 そう思いながら俺はその場に座り込んだ……。







〜〜〜


新作書きました。


聖女様が義妹になったので家に帰りづらいです〜実は美少女な地味子の家にお邪魔します


徐々に面白くしていく予定ですので気長に読んでいただけると幸いです。







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