第10話 誰??
「お兄ちゃん?起きてる?」
ドアをノックする音とともに妹が部屋に入ってきた。
妹はノックと同時に入ってくるので俺にプライバシーはないと言ってもいい。
朝はまだいいけど夜は本当にやめていただきたい……。
「ああ……休もうかなぁ……」
「もうっ、笑われないってば。目をちゃんと開けて笑顔でおはようって言ったら大丈夫だよ。」
「ほんとか?嘘だったらなんでもいうこと聞くか?」
ゲスい笑みを浮かべてやろう
「お、おにいちゃん……妹によくじょーはダメだよ…?」
「妹だろうが美少女なんだから欲情くらいするぞ?」
「美少女……よくじょー……」
ヤバい、寝ぼけた頭で喋り過ぎた。
どうやって収集つけよう……。
考えているうちにブツブツ言いながら部屋を出ていってしまった。
まあ大丈夫だろう。
起きよう……。
着替えてリビングに降り挙動不審の妹と朝食を食べた。
ちらちらとこっちを見てくる。
やっぱりさっきのあれだよなぁ。
「あのさ、さっきのだけど俺」
「お兄ちゃん……その、直接えっちなことはダメだけど……パンツとか、アイスとか必要だったら言ってね……?」
「あ、ああ……ありがとな」
ありがとなってなんだよ……。
アイス…??
「先行くねっ」
いつも一緒に登校するのに先に行ってしまった。
全部俺が悪いんだ全部……セクハラは控えよう…。
1人で登校することになり学校の昇降口で上履きを取り出しているとクラスの奴に誰?と怪訝な顔をされた。
笑われはしなかったがそんなに誰か分からないかな?
教室に入ると騒がしかった声が静かになり始める
「誰??」
「誰に用事だろ?」
俺です、滝です……。
髪切ってごめんなさい。
机にカバンを下ろしつつ小林さんがもう来てたので挨拶をする。
笑顔笑顔……。
「おはよう、小林さん」
「おはよう、ゆら、く、、ん」
振り向きざまの挨拶が尻すぼみになっていく。
やっぱり俺だと分からないか……。
その後なんだかぎこちない会話をしていると
前の席の聖女様がこちらをちらりと伺っていた。
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