第2話 聖女様は元セフレ

 放課後になり委員会も終わり教室に戻ってくる。

目的地が一緒だし別にいいんだけど御園が横を歩いている。


 前髪で顔を隠した影のものである俺とは住む世界が違うのに隣に居られると周りからの視線が凄いことだろう。

 前髪があるからシャットアウトしているが……。



「ねぇ滝くん……このあと暇なんですよね?」


「いやいや、帰りますよ俺は。」


 俺は引きこもりってわけじゃないけど、買い物とか遊びに行くとかよりも家でゆっくりくつろいでいたいタイプだ。

 家でやりたい事なんて無限にあるし性に合っているんだ。



「もうっ。相変わらずなんですね……由良君」


「……名前で呼ばない約束でしょ??」


「そうでしたっけ?まぁいいじゃないですか。」


「全然良くないわ。」



 聖女様に名前呼びされるとか全男子生徒の恨みを買いかねないのでやめてほしい。



「じゃあ由良君……私の家でゆっくりしませんか?」


「なんで?」


「だから、私のお家。今日お母さん遅いんですよ?」



 御園の家は母子家庭の二人暮らしらしい。

 仕事で遅くなる日が多いのだとか。



「もう俺たちそういう関係じゃないでしょ?」


「はい……ただ家で一緒に過ごすだけ。ダメですか?」

「一緒に晩御飯食べよ?」


「本当にそれだけ?」


「……はい。」


「なんだよその間は……」



 なんでこんな確認をするかと言うと

 俺と御園は身体の関係、所謂セフレだったのだ。



 解消直後は意識して喋らなかったが、

 少しして俺と小林さんが喋っていると俺にやたら絡んでくる様になった。

 周りの目がないところではセフレになる前の様に、御園の方からよく話しかけてくる様になった。



「1人でご飯って結構寂しいんですよ?お願いします……」


「んー……やめとく。妹も待ってるし」


「そうですか、なら仕方ないですね……」



 寂しそうな表情をされると頷いてしまいそうになるが

 安易に家に行くのはもうやめた方が良いと思うし……。


「じゃあまた明日な」


「はい、また明日……」


 妹に晩御飯何が良いか聞きながら帰るのだった。




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