番外編 ラスティーク嬢の日記

 × × × ×年×月×日 空の曜日


 本日より私、ラスティーク・ナリュータは国立魔法学園、第二学年となりますわ。


 やはり生徒会長のシャラナーダ・クナーズ・ルーク様は美しい輝きを放っておりますの。

 余りの美しさに壇上へあがった際には倒れそうになるほど輝いて眩しかったですわ。


 クラスは昨年とあまり変わったことはありませんが、一つだけ変わっていた所がありますの。

 いいえ、所ではなく人物ですのよね。

 彼女の名はクリュッセル・ナージャ。ナージャ伯爵家の一人娘だそう。

 私の視界にはチラチラと入ってはいましたが、もし彼女にシャラナーダ様を取られてしまったらと考えてしまうと恐ろしいですの。何せ彼女は次代の聖女。その上、私とは違って守ってあげたくなる様な風貌ですもの。

 私も彼女の様なカラスの濡れ羽色の髪と瞳を持ち、林檎の様な頬を持ちたかったですわ!

 私の風貌など伝説の妖の様な不吉な風貌で近寄って来るのは私に取り入る為だけなんですもの!



 ま、まあ、もしも私のお慕いしているシャラナーダ様をとるような悪女であるならば何としても阻止しなければなりませんの…



 そういえば、弟のフィリオスも彼女に会ったと話していましたわね…なんか治療までしてもらったとか。

 私の立場は…?


 どうしましょう。私、彼女を何とかしたいんですの。このままだと私の存在意義が無くなってしまいそうで怖いのかもしれませんわ。一人になる理由なんて無いはずなのに……何も恐れることなど無いのに。私は公爵令嬢なのに。この胸のざわめきはどうしてかしら?

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