第12話 センパイ【ASMR】/中多さんの体温が伝わってくるみたいだ

○住宅街・道路(夕)

   #主人公、紗江をおんぶして歩き始める。


紗江

「せ、先輩、大丈夫ですか? 私、重いですし……。」

「本当に、何ともないですか……?」

「それならいいんですけど……。」


「あ、謝らないでください! 先輩のせいじゃないです!」

「私、楽しかったんですから!」

「だから、ついケガしただなんて……。」


「……ごめんなさい、先輩……。」

「足をくじいたのは……ウソなんです……。」

「もうすぐ家に着いちゃうのがイヤで……もう少しだけ、先輩と一緒にいたくて……。」


「つい、ウソをついちゃいました……。」

「本当に……ごめんなさい……。」

「へっ……なんで笑ってるんですか……?」


「《私がケガしてなくてホッとした》……?」

「うぅ……先輩、どうしてそんなに優しいんですか……。」

「私、ウソをついてた悪い子なのに……。」


「え? 悪い子は罰として、このまま家までおんぶなんですか?」

「うぅ……わかりました……! 好きにしてください……!」

「……こんなときに言うことじゃないかもしれないけど……。」


「今日のデート……本当に楽しかったです。」

「先輩は、私を知らない世界に連れて行ってくれるすごい人なんだって」

「改めて思いました。」


「先輩が一緒にいてくれるおかげで、私も変われたんです。」

「先輩から見て、どうですか? 私、先輩に釣り合う女の子になれてますか……?」

「あ、ありがとうございます……先輩にそう言ってもらえるだけで、私……。」


「……ねぇ先輩。ちょっとだけ、振り向いてくれませんか?」


   #主人公、おんぶしている紗江の方に何気なく振り向く。

   #紗江、振り向いた主人公の唇にキスをする。


紗江

「んっ……」


   #しばらくキスをして、唇を離す紗江。


紗江

「ふふっ……キス、しちゃいました。」

「こんなことができるようになったのも、先輩のおかげです」



《最終話へ続く》


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『ASMRボイスドラマ アマガミ Vol.3 中多紗江編』(CV・今野宏美、CV・阿澄佳奈)

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