第4話 カラカイ/中多さんのいろんな表情を見てみたいな

○街中・公園(夕)

   #主人公、待ち合わせ場所の公園にやってくる。


紗江

「あ、先輩。こっちです~。」

「この公園の場所、すぐにわかりました?」

「ここ、目立たないところにあるから……。」


「でも、他の人に見つからない場所がいいなって思って……。」

「今度こそ、ちゃんと相談したかったですし。」

「先輩? そんなにキョロキョロして、どうかしたんですか?」


「あっ……大丈夫ですよ。美也ちゃんは先に帰るって言ってましたから。」

「美也ちゃん、実はあのあと、ずっと反省してたんです。」

「せっかくの時間を邪魔しちゃってごめんって、私に何度も謝ってくれて……。」


「だから、気を使ってくれたんだと思います。」

「あっ……うふふ。先輩、なんだかホッとした顔してます。」

「先輩も美也ちゃんのこと、気にしてたんですね。」


「はう~……思い出したら、また恥ずかしくなってきちゃいました……。」

「え?《 私をここまで恥ずかしがらせた美也ちゃんが許せない》……?」

「《朝から公衆の面前で……私の胸をわしわしと揉むだなんて》……?」


「そ、そんなにはっきり言わないでください~……。」

「ちゃ、ちゃんと確認しないとダメなんですか?」

「《何回くらい揉みしだかれたか》……!?」


「そ、それは、いくら先輩にも言えませ~ん!」

「……先輩、なんだか楽しんでません……?」

「あー、やっぱり、わざとだったんですね!?」


   #紗江、少しむくれつつ。


紗江

「もう……それならそうだって言ってください……。」

「なかなかそういう機会がないのはわかりますけど……。」

「でも、先輩と一緒なら……。」


「私、自然といろんな表情になっちゃう気がします……。」

「……あれ? 今度は先輩のお顔が真っ赤ですよ。」

「うふふ……私も、先輩の珍しい顔が見れちゃいました♪。」


「こういうの、確かにいいかもしれませんね。」

「デートでも、先輩の表情をたくさん見てみたいです。」

「《映画館》……ですか?」


「……それ、とてもいいと思います!」

「映画を観に行くって、すごくデートらしいですし!」

「先輩と映画……楽しみだなぁ……。」

「今度のお休みが待ち遠しいです♪」



《第5話へ続く》


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