第4話 クールって?③
と、と、と、と、と、ととととんでもないイケメンじゃねぇか!!
俺に全然似てない!
じゃあ、この顔は誰のだよ!!
「と、藤堂先輩、大丈夫ですか?」
そうだ。
藤堂さんとかいうやつのだよ。
でも、心は完全に俺だよ。
俺は確かにイケメンだったがこんなにイケメンじゃなかったわ!!
俺のイケメンな顔が浮くくらいのイケメン。
ちきしょーーー!
こんなにイケメンだったら人生楽しいだろうな!
キリッとした奥二重、高すぎるお鼻!
エロすぎる唇
天使の輪っかがついたサラサラな髪。
短髪似合うランキング断然の1位だよ、こいつ!
あーあー、すげークールな顔だぜ。
もう、何も言うことはありません。
ん?
待て待て待て待てまてまてまてまてマテマテ!
クール…?
もし、性格もクールだとしたら…?
今の俺って全然クールじゃない。
バカ丸出しの性格だ。
あの3人が地上を泳いでいるサメを見ているかのような目を向けてきたのも納得がいく。
うんうん、納得いきまくるよ。
名前を知らない男・「藤堂さん、壊れてませんか?」
暁・「あぁ、先輩、壊れてる気がする」
凪・「"あの時"とは全然違います」
3人が車の前で輪になってコソコソ話しているが、ものすごく聞こえるてるからな!
すんませんが、すごく聞こえてんかんな!!
大事なことだから2回言いました。
"あの時"に俺はいなかったからよく分からんが多分、多分だけどものすごいクールな奴だったんだろうな。
今すぐにでもクールに戻った方が良い。
俺の心ではなく、藤堂という男の心が言ってる。
言ってるどころじゃない。
叫んでいる!!!!
「暁達、早く行こう。」
ちょー、クールに言った。
動作つきで前髪をかきあげたぞ!
どうだ!?
俺が思っているクールはこれだが、合っているか!?
答え合わせだと思って3人を見た。
な、なんだ、それはどういう反応だ。
すごい真顔でこっちを見る。
ジーッと。
え、え、え、俺間違ってたか?
冷や汗かいてきたよ。
「クールな藤堂先輩に戻った!!」
暁がパッと笑顔になった。
それはもう満面な笑み。
「戻った!!」
凪に続いて、「藤堂先輩だ!」と名前を知らない男が言った。
めっちゃ笑顔じゃねぇかよ。
あ、合ってたー。
ガチ焦ったわ。
これからは頑張ってこのキャラを演じよう。
というか、イージスだっけ?
ここの建物でけぇー。
高層ビルじゃねぇか。
驚いているのはホントだがもう棒読みにしかならない。
疲れてる。
相当疲労溜まってんわ。
家に帰りたい…
あ、そういえば俺の家ってどこだ?
ってか、俺は結局なんでこんな所にいんだ?
謎がどんどん増えていく。
今、そんなこと考えたくない。
あ、れ…
疲れすぎてるせいだと思う。
目の前が真っ白になっていく。
やばい、このままじゃここの駐車場に倒れ…
"る"と言えないまま俺は意識を失った。
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます