五、パラレル慶事

 今まで聞いたことのない、しかし母国語らしい響きの言葉を聞いた。平行国語だったのかもしれない。少なくともその単語の概念はわたしの母語にはなかった。おおざっぱに言えば、年明けの頃を指す雅言がげんらしい。どうもその頃に恐竜が復活するという話だった。無事復活した恐竜にちょっと踏まれたが、まったくの無傷だった。現地の人いわく、めでたいことは決して跡に残らないものだそうだ。

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