三、友人の家
特に友人でもない子の家の夕食にお呼ばれした。一人娘であるその子の話し声や歌声を分類して、棚や部屋ごとに保存している家だった。最高品質の音響機器によって保存状態は完全無欠、どの部屋の木材も金属も照明も全てがゆったりと落ち着いていて、理性に忠実なSPのようだった。
ところが分類の仕方に注目するとどうだろう、小学生のお手製図鑑の方がよほど理に適っている。娘のガワが素晴らしいのを、機器を揃える口実にしてるだとか、そんなところだろうか。どうせやるなら甘えた分類をやめて、学者にでもなるつもりで冷静に娘を解剖すればいいのに。ともかく全ての根性が気に入らなく、食事の前にそっと帰った。
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