ジャンルとしては異世界転移からの料理モノですが、主人公の暁子さんは給食のおばさん(チート無し!)。
もともとの職業をフルに生かし、異世界の人(?)たちの子供のために奔走し、アイデアをひねり出す彼女にとても好感がもてました。
現実世界とは大きく異なる、異世界独特の食材たち。一つ一つの描写も細かくかつ解りやすく、情景がすんなり浮かびます。そして、それを調理する過程は、まるで、親が台所でご飯を作っているところを覗き見ているような、あの感覚。見ているとついお腹がすいてくる。そんな作品です。
目頭がほんのり熱くなるエピソードや、好き嫌いを克服する話など、読めば心が温かくなる話題も。
「読めば心は満たされていき、しかしお腹は空いてくる。」
いろんな方に、ご賞味いただきたい。素敵な作品です。