お母さん今日は世界を滅ぼしたの
たかしへ。
毎日パンツを洗っていますか。
同じものばかり履いていると、股間の辺りが臭くなって悪臭が染みついて取れなくなっちゃいますよ。
それとも履いてなかったりしますか。
一日中家の中だからそっちの方が楽で快適かもしれませんね。
でも不意打ちがあるからパンツは履いていた方がいいと思います。
具体的には夕方です。
さて、たかしもお気付きの通りだと思いますが、お母さん今日は世界を滅ぼしたの。
理由は簡単です。
SNSでちょっとエッチな自撮りをしている女の子におじさん構文で気持ち悪い長文を送り付けている下心丸出しのおじさんや、動画配信サイトで美少女の駆け出し個人勢Vに赤スパでおじさん構文のぬちゃぬちゃした長文を読ませるおじさん、クソマロ・焼きマロを投下しまくる粘着質なインターネットトロール、超人気美少年Vに対して母親面してお気持ち表明して暴走した挙句休止・引退にまで追い込む厄介ファン……。
これらにほとほと愛想が尽きたからです。
特に最後の例、この世で母親面をしていいのは自分の息子とたかしだけです。
お母さんはお母さんですから誰に対しても母親面です。
お前も母親面してやろうか。
そうと決まればすぐ実行がお母さんです。
お母さん、北の方にちょっと知り合いの将軍さんがいるから、ご近所さんのおばさんネットワークを通じて連絡を取ってみたの。
そう、お隣の御子柴さんよ。
今度お会いしたら越後のちりめん問屋のお菓子を包んであげなさい。
それで、北の将軍さんなんだけれど、
「そんなことでポテドンミサイルは貸せない」
ですって。
ケチよねぇ、たかだか世界一個滅ぼすだけだっていうのに。
だからお母さん、その将軍のお母さんになりました。
お母さんはお母さんだから当然よね?
そんなわけだから、お母さんはお母さんらしくポテドンミサイルを産んだわ。
産みたてほやほやのポテドンミサイルは栄養満点、お肌もピチピチ!
流石北の大地、試されているだけはあるわね。
試すと言えばたかし、あなたはエッチなゲームやエロ同人はサンプルをおかずにすることはあれど、中々購入に踏み切らないわよね。
お試しの品ばかりでは作者に貢献できないわよ。
好きな物にはきちんとお金を使ってコンテンツを応援しなさい。
たかしだってえるおーやかいらくてんは買ってるじゃない。
そこだけはお父さんを見習いなさい。
お父さんはアダルトグッズを箱買いしては、ほとんど未使用のまま観賞用に積んじゃうのよ。
家計を火の車にして経済を回す、それがあなたのお父さんです。
それからはたかしも知っての通りです。
一発だけなら誤射として許してくれるから、その一撃できっちりやったわ。
お母さんは有言実行の偉いお母さんですから。
当然お母さんは世界の敵になったわけだけれど、お母さんはお母さんだから大したことなかったわ。
こんなのたかしの部屋に入って掃除をするのに比べたら何万倍も楽です。
掃除と言えばたかし、こないだたかしの部屋を掃除した時に開封すらしていない美少女プラモデルの箱が沢山積まれていたから、お母さんが全部作っておいたわ。
ちゃんとランナーはお父さんの爪切りで切ったし、やすりがけもしたから安心なさい。
流石にお母さん墨入れとかの塗装関係は苦手だから、そこはたかしに任せます。
世界の敵になったお母さんは各国から軍隊が送られてきたわけだけれど、そいつら全部まとめてたかしにしてやったわ。
そう、つまりあなたはたかしズオリジンってこと。
オンリーワンのたかしを持つお母さん、とっても誇らしいわ。
そしてそのすべてのたかしの頂点に坐するのが、そう、当然お母さんです。
大丈夫よたかし、お父さんのようにはならないわ。
多分。
そんなわけで終末の炎に囲まれた世界を、たかしは今どうお過ごしでしょう。
空は赤褐色の分厚い雲に覆われ、海は死んだような泥褐色に染まり、地表は鈍色か赤褐色にひび割れ草木も枯れ果てた、見るも無残な光景ばかりね。
なんて人間は愚かなのかしら。
お母さん悲しいわ。
たかし、あなたは賢い子だから、こんな風になっちゃダメよ。
お母さんは今新しい世界を作るのに忙しいから、すぐには帰ってこれないかもしれません。
多分明日の昼ぐらいには天地創造が完了するので、それまでたかしはコウフクドーの芋パンでも食べていてください。
あなたもお母さんの子なら、世界の一つや二つ一日で作ったり滅ぼしたりできるようになりなさい。
光の戦士だったり天空人の子孫だったりグーギの取り締まりをしたり子供時代に築城した風来人だったりしたたかしなら訳ないでしょう。
そうそう、あとお父さんが修理に出していた電動式の大人のおもちゃが夕方ごろに戻ってくるらしいから、代わりに受け取っておいてください。
品物名がパソコン用品になっているとのことです。
たかしにはお馴染みだったかしら。
だからパンツが必要だったわけですね。
もしパンツが間に合わなかったら、その時はシンゴーと名乗るのよ。
たかしの事が大好きなお母さんより。
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